2015年3月25日水曜日

CBC続報

メディケーションレビューについての続報が3月24日に出ました。

Medication reviews may miss patients who need them

Pharmacists speak out on need to ‘cherry-pick’ low-risk patients to meet quotas for billable services

http://www.cbc.ca/news/health/medication-reviews-may-miss-patients-who-need-them-1.3005870

前回からのニュースをまとめて日本流に平たく言えば、点数(=報酬)稼ぎのために薬剤師がレビューという仕事をしていることが問題となっており、薬局においては薬剤師に課されている点数ノルマが調剤業務に支障を来たし、エラーを誘発している可能性が指摘されています。そしてノルマの達成だけが目的となっては、患者ケア、つまり例えば高齢で薬の数が多いにも関らず、変更が多く、どれがどの薬か分からなくなってしまったというような「本当にレビューを必要とする患者さんと1対1で20分位の時間をとって薬のおさらいをしましょう」という視点が無くなってしまうことも懸念されています。薬局によっては患者さんに毎回レビューを提供し、もちろんこれではネタに尽きてしまいますから、最も短いときでは30秒程度で「レビューをやったこと」にするような慣習さえあることが指摘されています。レビューの報酬は100%政府、すなわち税金から薬局に支払われますから、やはり消費者であり納税者でもある患者さんが納得する仕事が行われていなければ、いつかどこかでその構造にメスが入るかもしれません。

2015年3月22日日曜日

お辞儀をします

例え西洋文化がベースにあるとはいっても、ここカナダでは薬局のお客さんには高齢の方が多いこともあり、礼儀はカスタマーサービスの欠かせない要素です。

北米の人はみんなファーストネームで呼び合うものだと過去には信じて疑いませんでしたが、
生粋のカナディアンであっても高齢の方に対してはミスターやミセズをきちんとつけて名前を呼びます。同じように自分も患者さんに接すると、むしろ相手のほうから名前だけで呼んでいいよ言われることもあります。丁寧に接してこそ始まる関係ですね。

CBCニュースが1月に薬局サービスを特集してからというもの、特に接遇に関しては気をつけていますが、最後にTake careと一言いうときに会釈をしたりもします。結構最近のことですが。でも高齢の方ではむしろ患者さんのほうが自分にそのようにしていることに気が付きました。必ずしも片腕を大きく上げて"Bye!"というのが北米流ではないのですね。カスタマーサービスは丁寧であるべきことは世界共通です。接遇の最後には、いつも相手が気持ちよくなるように言葉を付け加えましょう。

P’cist:”Do you need anything else, Mr/Mrs. ....?"
Cust: "No"
P’cist: "Ok then. If you have question or concern, just give me a call any time. You take care and have a good day. ”

2015年3月21日土曜日

医学用語??

専門用語よりも一般に慣れ親しんで使われる言葉がいくつもあり、以下はその例です。

Charley horse」

足がつることです。A charley horse is the common name for a muscle spasm. Muscle spasms can occur in any muscle in the body, but often happen in the leg. When a muscle is in spasm, it contracts without your control and does not relax.

Lock Jaw」

破傷風(Tetanus)にかかるとけいれんで口が開かなくなることが所以です。



「Montezuma's revenge」
Traveler's diarrhea (旅行者下痢)のことで、特にメキシコへの旅行者がかかるものを指します。アステカ族最後の皇帝の名前に由来します。


「Whooping cough」
Pertussis=百日咳のこと。Whoop: (ほえるような)叫び声を上げる, ゼーゼーと息をする。
http://eow.alc.co.jp/search?q=%22whoop%22&ref=hk
Whooping cough is an infectious bacterial disease that causes uncontrollable coughing. The name comes from the noise you make when you take a breath after you cough. You may have choking spells or may cough so hard that you vomit.
漢字と英語における意味の出所の違いが面白いですね。

「Sleeper」
睡眠薬のことを差しています。"Could you refill my sleeper? Yes, the blue pill."
パジャマと言う意味もありますが、薬局では違います。

業務に関連するものでは、
「TCI」
カナダでは、ドクターに処方せんの更新をリクエストする(つまり、受診しないで処方せんだけだしてもらう)ことはよくありますが、そのときにFaxの返事にこう書いてあることもあります。「To come in (to doctor's office)」の略で、ドクターが「更新の前に一度会いにきてください=受診してください」の意味。例としては"Renew x 3 months then TCI"とかいった具合です。

「HB4」
以前に服用したことがあるという意味。
単に「B4=before」のときは、「以前に」や「以前の薬(または用量)は」というかんじ。

このような単語をしらないと、単純な言葉の置き換えでも、理解に何分もかかることがあります。
仕事を始めたばかりのころ、B4が読めなくて困りました。頭の中がどうしても「ビーフォー」だったんですね。

ちなみに下のリンクではドクター用のスラングがリストになっています。
話のネタ程度によんでみてください。
http://messybeast.com/dragonqueen/medical-acronyms.htm





2015年3月19日木曜日

DPICについて

薬局への電話で、子供が大量に薬を飲んでしまったとか、化学薬品を間違って飲んでしまった、で、どうしたら良いか?といった質問に答えるのは時として難しいものです。この手の質問を一手に引き受けるのが、DPIC(BC Drug and Poison Information Centre http://dpic.org/)です。また隣のビルにDrug Information Centerもあり、こちらは薬一般の安全性についての質問を取り扱ってくれます。一人で仕事をしているときなど、本に載っていない副作用などどうしても誰かの知識が欲しいときには、DPICに相談するのも一つの手です。


2015年3月18日水曜日

薬あれこれ Myrbetriq

OABに用いられる薬です。
成分名がMirabegron (extended-release tablets)
機序としては、Selective beta 3-adrenoceptor agonistです。

http://www.cmsastellas.ca/uploads/pdf/131-2013-03-04-myrbetriq%20PM-Approved.pdf 

2015年3月16日月曜日

Pharmacists’ Expanded Scope of Practice Activities Across Canada

カナダの各州ごとに法規が異なるという理由で、州を超えると薬剤師には出来る仕事に違いがでてきます。

下の表を見てみると、BC州の薬剤師には出来ないことが多いようです。

しかし、他の州で標準的に行われている内容に関しては、早かれ遅かれ導入されることでしょう。

Summary of Pharmacists’ Expanded Scope of Practice Activities Across Canada
http://www.bcpharmacy.ca/uploads/Facing-the-Future-Together.pdf


2015年3月15日日曜日

目標と応援

「仕事も勉強も、スポーツも芸術も、意欲的に取り組むには目標と応援が必要である。」

と、新聞のコラムで読みました。


皆さんの今の目標は何でしょう?


決して簡単ではない、PEBCの試験、そして就職活動。


働きはじめてからの継続教育、専門資格の取得、どこまでも目標は尽きないでしょう。

また、目標に向かって頑張るあなたを応援してくれる人とは?


家族、子供、パートナー、親、兄弟、友達など、応援してくれる人の数は多いに越したことはありませんが、誰でもそんなに大きな応援団がいるとは限りません。


でも、私はカナダの薬剤師に挑戦し続ける皆さんを最後まで応援しています!

2015年3月14日土曜日

薬の検索

Physicians desk referenceという資料を大学のときに習いましたが、今ではこれがオンラインでタダで使えます。初めてみる薬の情報や、用量の検索などにおいてかなり便利です。

http://www.pdr.net/browse-by-drug-name

若い薬剤師はスマホで、ピピピとすぐに検索します。私あたりの年齢を境目に、コンピューター画面をみる割合が高くなります。スマホに対する親しみ具合だけでなく、スマホの値段や機能も違うのかもしれません。

2015年3月13日金曜日

Calcium Supplements and Cardiovascular Risk

カルシウムが心臓に悪影響を及ぼすという内容が、2011年にニュースになりました。


もちろんそれが一つの研究結果による報道で、結論としては断定的なものではないので、更なる研究と検討が待たれました。そして実際に様々な研究がなされました。

Osteoporosis Canadaの2013年の発表では、1日1200mgのカルシウムを出来るだけ食物から、無理であればサプリメントから摂取するよう呼びかけています。

2014年のTaylor EN.らの論文( 2014 Aug;25(8):2047-56. )では、
”Our findings do not support the hypothesis that calcium supplement intake increases CVD risk in women.”としています。

が、もちろん今後もこれを覆すような論文が出てくるかもしれません。結論が断定的とはいい難い内容について患者さんから質問を受けたときは、このような流れと内容をそのまま伝えるようにしています。最終的にはOsteoporosis Canadaのガイドラインに従うのが無難かと思いますが、それでもバックグランドとなる研究の流れは把握しておきたいものです。

2015年3月10日火曜日

Synthroidとの相互作用

FQやtetracyclinesの影に隠れがちですが、synthoroid/eltroxinといった薬も鉄やカルシウムと同時に服用することで吸収が妨げられます。

このような相互作用も前述の「Drug interaction checker」ではしっかりと引っかかってきます。http://reference.medscape.com/drug-interactionchecker




全く複雑な相互作用ではありませんが、ブリスターパックなどをやっていると意外と見落としがちなものなので、今のうちにしっかりと頭に入れておきましょう。

2015年3月9日月曜日

相互作用のチェック方法

紙ベースでは、「Drug Interaction Facts」が必ずカナダの薬局にはおいてありますし、PEBC受験の際もこの使い方を知っておくことはもちろん必須です。

しかし、オンラインでMedscapeの「Drug interaction checker」に行くと、素早く相互作用が検索できて非常に便利です。

http://reference.medscape.com/drug-interactionchecker

参考にしてください。