2015年4月28日火曜日

ホメオパシーの承認プロセス

CBCのドキュメンタリーですが、ホメオパシー原料を含む商品の販売に際して適切な試験が行われていないことが指摘されています。

最近特に増加している「ナチュラル」で「健康に害がない」ものを好む人をターゲットにして、売り出されているような感があります。

そのような商品には「効果も無い」ものがほとんどであることを薬剤師としてはきちんと説明しなければなりません。

この放送が本当であれば、臨床試験なしにパッケージ上の各効能を承認する政府は、確かに理解に苦しみます。

でも、薬局は小売業でもありますから、お客さんの好みや考えを尊重することも忘れずに。



Drugstore remedies: Licence to Deceive (CBC Marketplace)

2015年4月26日日曜日

MMRワクチンの接種に際して

カナダでは薬剤師が注射をする(!)とはいっても、そこには色々な状況を想定しなければなりません。最近のMeaslesの集団発生により、州政府はワクチンを無償で提供しています。

この無償というのは、「条件を満たせば」という話です。

以下にBC Pharmacy Association からのメールをコピーしますが、MMRワクチンは、過去の接種歴、書面または電子的な履歴の有無、誕生年、職業等により、ワクチンを必要としているか否かが決定されます。患者さんに「MMRの注射を打ったほうがいいですか?」聞かれた時にはきちんと答えられるようにしましょう。

In light of recent news about measles, you may be receiving requests from the public for measles vaccinations. Ensure that you review a patient's eligibility for publicly-funded vaccine prior to offering private pay vaccine.

There is some confusion regarding publicly-funded MMR vaccine for those born before January 1, 1970 (January 1, 1957 for health-care workers). These persons are generally assumed to have acquired immunity to measles or mumps from natural infection, however, there may be susceptible individuals in this age group. 

Those who self-identify without a history of measles or mumps vaccine or disease may be considered susceptible and should be offered one dose of MMR vaccine.

ネパールでの地震


地震で被害に遭われた方へ お見舞いとご冥福を心よりお祈りします。

2015年4月24日金曜日

メディケーションレビューのスタイルに質問? 

先日のメディケーションレビューに質問があれば、ぜひとも共有していきたいと思います。
どんな些細なことでも、コメント欄から投稿ください。投稿がすぐに表示されることはありません。

日本でも残薬の問題が顕著になっていますから、このような場合には薬剤師が活躍できることは容易に想像できますし、厚生労働省もそのように考えています。日本にも報酬付きで、レビューシステムができるといいですね。


飲めずに「残薬」、山積み 高齢者宅、年475億円分か


残薬対策、薬局の活躍方策検討‐衆院本会議で塩崎厚労相





2015年4月22日水曜日

メディケーションレビューのスタイル 

日本人には馴染みの薄いこのサービス。日本式の調剤薬局業務に慣れていると、体系的にレビューを行うというアイデアが浮かびません。

オンタリオ薬剤師協会がビデオを作製し、オンラインで見れます。質問内容等としては目新しくないようにも思えますが、ガイドラインに沿ってレビューを行う際の流れが分かりやすくなっています。

是非参考にしてください。



BEYOND THE COUNTER: MEDSCHECK
https://www.opatoday.com/professional/resources/for-pharmacists/programs/medscheck/beyond-the-counter

2015年4月21日火曜日

薬あれこれ Seebri

この薬は最近よく使われるようになってきています。
この手の"how to use"の英語での説明は、暗記するしかありません。
https://www.youtube.com/watch?v=Y8iPQfwBWcQ
馴れさえすれば、2分弱で説明は終わりますから、繰り返し練習してみましょう。

日本語でも復習を。
http://www.totalcare-copd.jp/seebri/m_feature/


2015年4月20日月曜日

ケベックシティーでカナダの薬剤師を目指している人?

5月末に学会のためにケベックシティーに行きます。

ケベックシティー(またはその近辺)でカナダの薬剤師を目指している日本人の方、
是非一緒にお食事でも。

この投稿にコメントする形で御連絡ください。
個人情報はブログ上に表示されません。

2015年4月18日土曜日

日経DIコラム

日経DIの参加型コラム「まいにち薬剤師」に記事が掲載されました。すでに本ブログで触れたCBCの薬局関連のニュースを再編しました。参考までに。
薬剤師の存在意義が問われているのは日本だけじゃない?薬局での相互作用などの説明の有無をカナダの放送局が覆面調査http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/mainichi/201504/541683.html

2015年4月15日水曜日

Typhoid fever


Typhoid feverとは腸チフスのこと。Paratyphoid feverパラチフスとセットで話題になります。

東南アジア、中南米、アフリカなど世界各地で蔓延しているため、トラベルクリニックでは最もポピュラーなワクチンです。

病原体は、腸チフスはチフス菌(Salmonella Typhi)、パラチフスはパラチフスA菌(Salmonella Paratyphi A)。

患者や保菌者の便に汚染された食品や水を摂取することによって感染(経口感染)します。

典型的な症状は潜伏期間2週間前後に起こる39~40℃の高熱、下痢または便秘など。 

これを防ぐワクチンがあり、IMのTyph-I、経口のTyph-O、Hep Aワクチンと組み合わさったIMのHA-Typh-Iです。

下の表を見る限り、経口のVivotifは持続期間等の数字ではかなり魅力的ですが、1カプセルを1日おきに合計4カプセル(空腹時)、つまり計8日間かけて服用するのは簡単ではありません。どのようにコンプライアンスを確認するのかが問題になります。それ対してIMであれば、打てば終わりです。最終的には患者さんの希望によりますが、簡単で確実なのはIMである気がします。



http://www.phac-aspc.gc.ca/publicat/cig-gci/p04-typh-eng.php


2015年4月9日木曜日

Scarlet fever

これもまた患者さんと話をしつつ、グーグルしなければよく分からなかった言葉です。
日本語では「猩紅熱」で、A群β溶血性連鎖球菌Group A beta-hemolytic streptococcus (GABS)の感染によって発症するものです。

ちなみにウィキペディアによれば、スカーレットは緋色(ひいろ) 
濃く暗い赤色を茜色というのに対して、最も明るい茜色を緋色と呼ぶそう

このついでに疾患の説明を英語で読むことも忘れずに。
http://www.webmd.com/a-to-z-guides/scarlet-fever-topic-overview



2015年4月7日火曜日

返信です

オンタリオ州の方からEメールを頂きました。
折角なので質問を公開する形で記事にさせて頂きます。

質問はトロントに拠点を置くPharmAchieveという会社の提供すMCQ準備コースについてで、問題の範囲と量が膨大とのこと。

このPharmAchieveのプログラムは、EE対策、MCQ対策、そしてOSCEのトレーニングがあります。http://pharmachieve.com/mcq

Evaluating Examの受験勉強の際にこちらのコースを取った方を知っていますが、とにかく大量の問題をこなして力をつけるという方法がとられているということでした。OSCEのコースを取った方もいましたが、これはOSCEの準備段階のどこでこのコースを取るかによって評価が分かれていました。

私がEEおよびMCQを受験した頃は、そこまでプライベートの準備コースやオンラインコースが充実していませんでしたので、手探りで色々な本を買ったりして勉強したものでした。何度かテストに失敗した後、当時はCanadian Pharmacy Associationの継続教育(CE)がオンラインで購入できたので、この問題を何度も何度も繰り返し、ようやく合格にこぎつけました。(残念ながらCPhAは私が勉強した時のような形のCEを現在販売していません。)Agro Healthもとりましたが、それだけではもちろんOSCEに合格する力はつくはずがなく、最終的にCP3に辿り着きました。いま思えば、手探りと失敗の連続でした。

今ではこの「手探り」というプロセスは各種準備コースをとることで省くことができ、これは非常に素晴らしいことです。この点をポジティブに捉え、広範囲の問題にめげずに一問ずつ確実に解けるようになってもらえればと思います。コツコツやるしかありませんし、やれば必ず道が開けます。

問題と並行して、Therapeutic choices、Minor ailments、Rx filesといったバイブル的参考書は必ず網羅しましょう。問題をこなしながら本の内容を確認すると効率がいいと思います。

ちなみにPharmAchieveコースに興味のある方、
SELF-STUDY QUESTION BANK(Online only) $675 +Tax
MCQ PREP COURSE(Online or offline) $1750 +Tax
となっています。講義はオンラインでも聴講できるそうです。参考までに。

ブログをご覧の皆さん、質問はいつでも受け付けています。
世界中どこからでも御連絡ください。



2015年4月5日日曜日

CP3の予約状況

今では全ての外国人受験者にとって必須となったCP3。従って、登録準備を早めに行うことはスケジュール管理の上で重要です。2015年4月5日現在、9月のセッションまでが満員となっています。

この先も常に申し込み期限をチェックし、EEに合格したら、すぐにCP3の手続きを行うようにしましょう。OSCEはCP3受講後に受験するのが一番効果的です。

http://cpd.pharmacy.ubc.ca/content/schedule-and-application-deadlines

2015年4月4日土曜日

スタッフインフェクション?

薬局のスタッフに蔓延する悪い感染症のことです。。。

というのは冗談で、スタフィロコッカスによる皮膚の感染症のこと。

Staphylococcus infectionを略してスタッフインフェクション。

Cocci…round(球形)、Bacilli…rod(棒状)とかってどこかで勉強したと思います。

ホッケーの選手などのスポーツ選手が、スタッフインフェクションのために試合に出れないとたまにニュースで聞くことがあります。

抗菌剤が用いられますが、場合によってはMRSAといった耐性の問題が付きまといます。

幅の広い話なので、一度どこかで勉強してください。
http://www.webmd.com/skin-problems-and-treatments/staph-infection-directory

なにはともあれ、この用語を覚えてもらえれば今日は合格です。






2015年4月3日金曜日

MONO?

少し前のブログ「医学用語?」にも書きましたが、 一般の方に馴染みのある医療用語というのは意外と多く、それらの病気には短縮形のニックネームがついています。

何年か前のことですが、薬局に来た小さい女の子のお母さんに、

"I think my daughter has mono"

といわれました。もちろんOTCで効果のある薬はないかという質問ですが、
こっちは「モーノ(mono)」といわれてもさっぱり意味が分かりませんでした。

とりあえず"I'm not sure so I can look it up for you"といって、その場でグーグルするしかありません。Mono、Feverとか入れて検索です。

そこで出てきたのはmononucleosisのこと。日本語では伝染性単核症ですが、大学でも習った覚えがありません。その場で勉強です。
http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/mononucleosis/basics/definition/con-20021164

そうしているうちに、以前に友達がこれにかかって薬を飲んでも治らないとフェイスブックで嘆いていたのを思い出しました。ペニシリン系の薬は発疹を起こすのが理由でした。
Amoxicillin and other penicillin derivatives aren't recommended for people with mononucleosis. In fact, some people with mononucleosis who take one of these drugs may develop a rash.
http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/mononucleosis/basics/treatment/con-20021164

唾液を介して伝染することから「kissing disease」とも呼ばれるそうですので、覚えておいて損はありませんね。

これを機に日本語でも勉強しておきましょう。
http://merckmanual.jp/mmpej/sec14/ch189/ch189f.html