2015年5月19日火曜日

無資格業務?

日本で無資格調剤が問題となっておりますが、カナダではどうでしょうか?という話です。

薬局の「アシスタント」であれば、雇われさえすれば誰でもなれます。

一方、薬局「テクニシャン」の現在の正式名称はRegulated Pharmacy Technician(RPT)です。数年前から認定、つまり試験(国と州の両方)に合格することが必要となりました。

より薬剤師っぽくなったように見えますが、RPTは薬剤師ではありません。誤解のないように。

BC州でRPTになるためのプロセスをUBCのサイトからコピーしましたが、これは過去にアシスタントとしての経験があっての話。この暫定プロセスは2015年をもって終了します。来年以降は、プログラムを取らなければRPTになることができません。

このRPTになったからといって、薬剤師のような仕事がなんでも出来るわけではありません。
そして仕事の幅は勤める薬局によって大きく変わってきます。
が、これは実は大きな問題です。線引きが難しいのです。

RPTが処方せんのオンライン請求やネットワーク上での相互作用の確認を含む処方せん入力作業をしてよいのか?

入力したとして、あとで薬剤師に報告・確認すればよいのか?

RPTが医師へのファックスを書いていいのか?
それを薬剤師が見ていればよいのか?あとで内容チェックすればよいのか?

RPTがOTCを薦めてよいのか?どの程度ならよいのか?ではMinor Ailmentを勉強している薬剤師の立場と知識は何のためにあるのか?

などなど。

計数調剤を行うアシスタントが不要だと思ったことはありませんが、場合によっては薬剤師ではない立場にありながら患者ケアに深入りする可能性のあるRPTは立ち位置が難しいものだと思います。結果、仕事の幅の決定は共に仕事をする薬剤師に任せられてしまうわけです。

また、試験に合格したからとか、アシスタントとしての経験があるからといって、どこまで知識と技能を信用できるか、さらにはRPTとして薬剤師との業務の線の引きどころをRPT自身がどの程度自覚しているかを見極めるのが、薬剤師としては難しいところです。

究極的には、RPTの介入によって薬剤師が患者ケアを確保しなければならない場面を見逃すことが、薬剤師としては一番怖いのです。



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