2014年7月6日日曜日

リフィルの次はトランスファー?

もしも処方せんの「リフィル制度」が日本に導入されたら、
次にくるのはおそらく「トランスファー」でしょう。

しかしこの言葉を日本語でグーグルしてもあまり情報はみつかりませんので、ざっと説明します。

例えば1枚の処方せんに以下の薬が処方されていたとします。
salbutamol
Sig: i - ii puffs qid prn
M: 1
R x 10

この処方せんにより、患者さんは合計11個のサルブタモール吸入器を購入することができます。
しかし、これらは全て違う薬局で調剤することができるというのがポイントです。

具体的には、最初の1個を薬局Aで購入すると、リフィル処方せんは薬局Aにとどまります。

しかし、基本的にこのリフィルはカナダ全土(ケベック州を含む)どこの薬局でも調剤できます。
(処方せんの有効期限内であることが前提で、通常は1年。)

たとえば患者さんが薬局Bに行き、
「薬局Aにサルブタモールのリフィルがあるのですが、ここの薬局で調剤してもらえますか?」
というと、「もちろんです。処方せんをトランスファー(移管)しましょう。」という流れになります。

すると薬局Bの薬剤師は、薬局Aに電話して、「I'm wondering if I get a transfer from you?」というと、薬局Aの薬剤師は必要事項を電話で口頭で伝えてくれる(昔風)か、ファックスしてくれます(今風)。

電話の英語に慣れていない頃は、このトランスファーはかなりの脅威です。
時間とともに慣れますが、カナダで薬剤師を目指すみなさんは覚悟しておいてください(!)。

めでたく薬局Bがトランスファーを受け取ると、その処方せんをリフィルの残数10として処理し、
調剤してくれます。

もしも同じ患者さんが、次に薬局Cに行ってトランスファーをお願いすると、
今度は薬局Bから薬局Cへリフィル残数9としてトランスファーして調剤されます。

以上をまとめると、処方せんのトランスファーとは、リフィルのある同じ処方せんを、別の薬局で調剤してもらい、購入できるというシステムなのです。

なんとなくでも分かってもらえると幸いです。

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