前回、第4世代のピルではprogestinによるandrogen作用を減らしたがために血栓症が起こりやすくなったという話をしました。そこで、血栓症について触れましょう。
簡単に血栓症と言っていますが、アルク辞書で調べるとthromboembolism【名】《病理》血栓塞栓症”です。これに絡めてよく出てくる単語はVenous Thromboembolism (静脈血栓塞栓症。略してVTE) しっかりと確認を。
90年代中盤までは、エストロゲンがVTEの原因だと考えられ、これによって低用量のピルが開発され、またprogestinが改良されていきました。ところが新しい世代のprogestinによってむしろVTEのリスクが増加しているぞという話で、諸々の報告があります。
今後触れていきますが、Evra(貼付型)やNuvaring(経膣型)の新しいタイプの避妊薬は、drospirenoneを含有していないにも関らず、VTEのリスクが増加するという報告もあります。
ピルによる血栓塞栓症の確立は、何も服用していない人の場合は年間1万人に4-5人、ピルを服用していると1万人に8-9人、参考までに妊婦では1万人に29人といった具合です。(Rx file 4th ed)
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