2013年11月18日月曜日

抗生物質の考え方?4(皮膚感染症)

そもそも自分が大学生のころは特別に皮膚感染症だけを勉強した記憶がありません。みなさんはどうですか?

Therapeutic Choicesのような本で勉強する皮膚の感染症は色々あるように見えますが、数は限られます。そしてこれらはどれも治療薬の選択という意味では難しいことはありません。

それというもの、皮膚からバイキンが入った=感染した→原因菌はS. aureus(黄色ブドウ球菌)であることが多い(もちろん複数の場合もあり)→ 抗菌剤を処方→セファロスポリン系がほとんど、という流れになるからです。

薬に入る前に、とりあえず皮膚の感染症の名前を一通り覚えましょう。

impetigo = 膿痂疹 (とびひ)
folliculitis = 毛嚢炎(もうのうえん)
furuncles(boils) = できもの
carbuncles = 癰(よう)、吹き出もの
cellulitis = 蜂巣炎(ほうそうえん)蜂窩織炎(ほうかしきえん) 

ちなみによくカナダの人は「スタッフインフェクション(Staph infection)になった」と言いますが、これはStaphylococcus aureusのことを指しています。皮膚にバイキンが入ったら、それは黄色ブドウ球菌であるという構図が頭の中にあるわけです。

1、2年前に、バンクーバーカナックス(アイスホッケー)の選手の一人の手が「スタッフインフェクション」になったのですが、これがなかなか治りませんでした。いつも手袋をはめて、競技の性質上とても摩擦も激しいので、治癒が難しかったのでしょう。スポーツニュースでは頻繁に「彼の手は今もスタッフインフェクションで・・・」といっていました。

こんなふうに話を繰り返したらもう覚えられますね。皮膚の感染症は、ほとんどが黄色ブドウ球菌=Staph aureusです。

また日本語で皮膚感染症の概念を知るには、マルホさんのこちらの記事が分かりやすかったです。
http://www.maruho.co.jp/medical/academic/fukuyakushidou/201008bacterialskininfection.pdf
http://www.maruho.co.jp/medical/sikkan/noukashin/pdf/keikoukinyaku_sentaku_point.pdf

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