2013年11月20日水曜日

抗生物質の考え方?6(薬をみる角度と順番)

今日はこのシリーズを書きながら気付いたことをひとつ。

日本語の資料は、通常グーグルで探してタダで見れる程度のものしか見ませんが、抗菌剤についていえば、通常、薬の名前から特徴、性質、適応が順番にまとまっています。

しかし、カナダの薬剤師を目指す上でテスト勉強に必要なのは、残念ながらこれとは全く逆の思考回路で、EBMを基にして作られたガイドラインに沿った薬物治療の考え方です。つまり薬ではなく、症例(case)が先にあります。

感染の疑いがある患者さんがいて、必要に応じて検査・培養等が行われ、さて抗菌剤で治療しましょうと。第一選択薬(Drug of choice, DOC)はガイドラインで決まっていますが、これで本当にいけるかどうかを患者さんに確認する必要があります。

つまり「薬にアレルギーは?」、「年齢は?」、「腎臓機能は?」、「他の薬との相互作用は?」、「妊娠は?」などです。このあたりで薬の特徴や性質を抑えておく必要があることが見えてきます。

思考回路としては、感染症→原因菌→選択薬→用量→日数→その他の注意事項、という流れです。至って当たり前のことのようですが、このような思考のトレーニングなしで本番のPEBCのテストを受け、英語で感染症の症例問題がガンガンでてきたら、ハッキリ言って滅入ります。そうならないように、この思考の流れを意識してTherapeutic Choicesなどの参考書を勉強してください。

ちなみにカナダには、薬にアレルギーの多い人がたくさんいます。ビックリするくらいたくさんいます。そんな物質にアレルギーがあるということを一体どうやって特定したのかと思うような稀な物質にアレルギーがある人もいます。薬剤師(の卵)として、「薬のアレルギー」を何よりもまず第一に訊ねる習慣をつけましょう。

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