2014年8月30日土曜日

予備知識 - 薬局実習について 7 「恐怖心の源」

薬局実習の何がそんなに疲れるかといえば、大きな要素はやはり「電話応対」です。

ある程度仕事の流れに慣れてくると、「じゃあ、電話にも出てみて」の一言が実習生に投げかけられ、そこからはほとんど悪夢の始まりです。外国人薬剤師としては、それ以前に薬局テクニシャン/アシスタントを含むカスタマーサービスを要する業種で否応なく電話応対をした経験をもっていれば、それはかなり役に立つと思いますが、そうでなければ、これほど厄介なものはありません。

電話を通して聞こえてくる英語に慣れていないため、相手の言っていることを理解するのにまず苦しみます。電話の声の主は、ただ単に喋るのが早い人もいれば、曇った声の人もいますし、カナダ以外の国の出身の人であればハナから直す気のない強力なアクセントで喋るために、まあそれらについていけるようになるには時間がかかります。

また、その薬局の仕事にしてもスミからスミまで完璧には把握しない状態で電話に出ますから、例え英語が分かったとしても、相手が何の話をしていて、何を求めているかを理解するのに苦労します。

やはり一番恐怖心を植えつけられるのはドクターからの電話でしょう。概して喋るのが早い上に、ラテン語をそのまま読んでこられたり、いくつもの処方せんの更新を用量の変更とともにベラベラと読み上げられるとこれはほとんど拷問に近いこともあります。患者さんの名前のスペルを書きとめるのも最初の頃は非常に苦労します。

では、その解決策は何かというと、やはり「電話に出続ける」ことでしょう。これ以外に方法はありません。習うよりも馴れろとはこの作業にあるようなもので、電話はそのうち絶対に慣れてきます。電話をとるようになってから数日たって、相手の求めてくる内容の傾向がつかめると、どのような英語をアタマの中で用意すれば良いかがハッキリし、その次の言葉が出やすくなります。でもそのためには数をこなす必要があるのです。

傾向と対策という面では、既に2013年12月のブログの記事でよくある「電話の内容」をまとめましたので、これを以下にコピっておきます。このような内容を意識していれば、電話応対の恐怖心が少しは軽減するかもしれませんので、参考にしてください。

  • 私のドクターが処方せんを電話でオーダーすることになっています。薬はできていますか?
  • リフィル処方せんをお願いします。/ まだファイルにリフィルは残っていますか?
  • 自動音声システム(automated system)でリフィルのオーダーが出来ませんでした。
  • 薬の配達をお願いできますか?
  • 薬の配達をお願いしたのに、まだ手元に届いていません。
  • 薬の在庫の問い合わせ(医師・獣医師)
  • 薬局のファックス番号は何番ですか?
  • ドクターからの口頭での処方せん(verbal order)
  • 他の薬局からの電話で、民間保険プランの番号の問い合わせ
  • まだインフルエンザの予防接種をしていますか?
  • 相互作用の質問
  • 薬局は開いていますか?何時まで開いていますか?(クリスマス、クリスマスイブ、1月1日)
  • 契約先のケアホームからの問い合わせ。ブリスターパックの注文・変更について。
  • 処方せんトランスファーのリクエスト。(すぐに送信しないと、その催促も。)
  • Free T3とFree T4の標準値はどれくらいですか?
  • 処方せんの有効期限について(=通常処方された日から1年。避妊用ピルは2年。)
  • OTCの在庫があるかどうか?
  • レンタル搾乳機の在庫と値段
  • レンタル松葉杖の在庫と値段

へー、こんなものか、と思って電話にでれば、大して怖くありませんよね。

2014年8月29日金曜日

予備知識 - 薬局実習について 6 「人間関係」

まだまだ終わらない薬局実習の難しさ。今回は薬局スタッフについてです。

処方せんの数や、その他薬局が提供しているサービス(ブリスターパック、糖尿病指導、トラベルクリニックなどなど)に応じて薬局で働く薬剤師の数が決まり、また薬局テクニシャン/アシスタントの数もそれに準じて決定します。あくまで薬局の総収入を山分けして人員を考えますから、「カナダの薬局では、一つの薬局にXX人の薬剤師が働くことになっている」という決まりはありません。仕事の量が多くて、それに伴って薬局としての収入が大きければ大きいほど、働く人の数が増えます。

私が実習生を見ていて大変だろうなと思うのは、ずーーーっと同じ薬剤師と一緒に働くことです。自分だけでなく、相手も多分飽きます。その薬剤師が、どんなに超プロフェッショナルで、教え上手でも、自分の仕事として片付ける必要のあることもありますし、やはり薬局業務は同じ作業を反復という部分が多いからです。この意味では、最低でも2人以上働いている薬局が実習先としては望ましいといえ、またそうすると、それぞれの薬剤師の仕事のスタイルを比べることで、自分に合った形を見つけやすくなります。「あ、この人のように患者さんに説明すればいいんだ!」といった具合です。ちょっとしたモノの言い回しや、ちょっとした作業の順番、仕事の片付け方など、やはり数を見て、色々比べたほうが勉強になります。反面教師のような人がいたら、それは自分の中で勉強と割り切れば言いだけの話ですし、やはり複数の薬剤師のいる薬局であればその人と一緒に過ごす時間は自然に限られてきます。

しかし、実習生として上手く付き合わなければならないのは、薬剤師だけではなく、テクニシャンやアシスタントと呼ばれるスタッフです。ただ単に「テクニシャン」と呼ばれて計数調剤や電話応対、レジ打ち、雑務一般を担当してきたスタッフは、PEBCによる公式の認定試験を受けることで、これまでよりも幅広い仕事ができる「Regulated Pharmacy Technician」へのステップアップの機会を与えられ、この道を選ばない人たちは、「Pharmacy assistant」という括りで呼ばれることになりました。究極的にはPharmacy Assistantは、その仕事に興味があって申し込んできた人であれば誰でも良いという話で、Pharmacy technicianの学校に行ったことがなくてもよいということです。その代わりに「Regulated Pharmacy Technician」よりも給料は安くなります。

給料という話で横道にそれますが、Pharmacy technicianのサラリーで検索するとC$10.75 - C$20.57http://www.payscale.com/research/CA/Job=Pharmacy_Technician/Hourly_Rate
という数字が出てきました。しかし、病院で働いているテクニシャンたちの給料はもっと高いと聞いたことがあります。1年足らず学校にいって、テストに合格して、時給20ドル以上もらえるのであれば、これはかなりいい仕事だと思います。日本で薬剤師が調剤薬局のパート勤務をした場合、最近は時給2000円を下まわることもある(!)という話を聞きましたから。

薬局スタッフというのは、一般的にいい人が多いものですが、たまにはソリの合わない人ももちろん出てきます。外国人薬剤師ということで興味をもって話かけてくれる人もいれば、君はその程度の英語力で何故にここにいるのか?本当にこれから薬剤師になるのか?という態度で接してくる人もいるかもしれません。また、薬剤師、テクニシャン、アシスタントに関らず、薬局は一般的に女性の多い職場ですから、日本でいう「お局」のような存在もあれば、人の好き嫌いによる派閥があることだってあります。「女性の多い職場は大変だよ、君!」と私にアドバイスしてくれた人は、1人や2人ではありません。実習生という立場では、もちろんそのような人間関係の渦に巻き込まれる必要はありませんから、自分のやるべきことを淡々とこなしていけば良いだけです。でも、やはり色々な人が集まって仕事をしている場所であることを知っておいて損はありません。よくよく考えてみれば、日本でもそういうことはよくあると思いませんか?国境を越えても同じような問題は存在するということです。

ちなみに何かの勉強会で聞いた話ですが、過去にどなたかが研究した結果によると、薬局で一番多いトラブルは「薬剤師とアシスタント/テクニシャンの人間関係」だとか。そんな場所へ飛び込んでいく日本人薬剤師へアドバイスの言葉をかけるとすれば...「実習生としてその薬局にいる期間は限られていますから、できるだけニュートラルにいきましょう!」。

2014年8月27日水曜日

予備知識 - 薬局実習について 5 「料金計算」

薬局実習についての話を書いていますが、要するにここで伝えようとしているのは実習に際して、「本当は大切なのに誰も教えてくれない」ことです。

前回はパソコンが使えることの重要性、ひいてはタイピングスキルがどれだけ大切かということを書きましたが、タイピングをしていると避けて通れないのが費用の計算と、そのオンラインクレームの処理結果の見方です。

この点についてもあまり詳しく教えてくれる人はいませんから、ここでザっと説明しましょう。
でも、一行で表せるほど簡単です。

「調剤費+薬の費用=合計金額」

これが費用の計算方法です。調剤費は、dispensing feeとかprofessional feeとも呼ばれ、最も安いところで5-6ドル(このようなお店の場合、毎年会員費用を支払っている)、通常は9-12ドル程度です。薬局の立地とか、処方せんの集中率とかにはまるで関係なく、まるで好き勝手に薬局が個別に決定できます。

しかし、このdispensing feeについては、政府からの保険償還額の上限が決まっていますから、それを超した額を設定している薬局では、患者さんが差額を負担することになります。

つまり、当たり前ですが、dispensing feeが安い薬局に行けば、薬代は安くなります。

ややこしいと感じるのはここからです。保険の支払いが絡む部分です。

保険は大きく分けて2種類。
公的保険(BC州の場合Pharmacare)と、
民間保険(呼び名はPrivate plan, Third party plan, Extended care planなどどれでも可)があります。

この2種類の保険を合わせて、

「合計金額-公的保険負担額-民間保険負担額=自己負担額」

という式で、自己負担額が決定されます。使ったのは、足し算と引き算のみですね。

ただ、民間保険は加入している人と、していない人がいます。
つまり、加入しているのは公的保険のみという人もいます。

公的保険といっても、最もメジャーな保険プラン(BC州ではFair Pharmacare)では、免責金額方式をとっているため、薬を滅多にのまず、また免責金額が高い人は、たまに薬を買うと100%自己負担です。

民間保険は、負担割合が決まっていたり、定額の負担額が決まっていたり、免責金額が設定してあったりなかったりと、内容は本当に様々です。

その他にもWCB(労災)、RCMP(国家騎馬警察隊)、IA(Indian Affairs、ファーストネーション)、DVA(Department of Veterans Affairs、退役軍人 )といった保険を持つ人がいますが、その場合は基本的に費用が全てカバーされ、自己負担はゼロとなります。

2014年8月24日日曜日

セミナー→9月13日(土)

11月の試験が、あっというまにやってきます。
ということで、勉強会を開きたいと思います。

日にち:9月13日(土)
場所:未定(バンクーバーダウンタウン)
時間:800-1130
定員:7
費用:$40

今回のタイトルは「服薬指導と問題解決のトレーニング」で、
目的は「とにかく練習、その場で修正!」することです。

将来薬剤師として働くことを想定し、患者指導について特訓形式をとり、
短時間の間にカウンセリングと問題解決のコツを掴んで頂きます。

この11月でなくても、近いうちに受験を考えている方なら誰でも参加できます。
右の連絡フォームから、御連絡下さい。


2014年8月22日金曜日

予備知識 - 薬局実習について 4 「タイピング?」

前回の話を総合すると、要するに薬局実習は「めぐり合わせ」の要素が強くなってきます。日本人の感覚からしてやりやすいorやりづらい薬剤師がココにいる!といったを報告をこのブログにしてもらえれば、データベースでも作れるというものですが、いかんせんそこまで大量の日本人がカナダの薬剤師に挑戦し、薬局実習を経験しているわけではないので、これも現実には難しい話といえます。

ではここで、外国人薬剤師が薬局実習にスムーズに入れるように薬局業務の話をしておきましょう。

「薬剤師業務において、北米は日本よりもXX年も先をいっている!」と言われたのは、私がまだ大学生のころの話ですが、今もそのようなことをいう大学の先生はいるかは定かではありません。調剤薬局に限って言えば、日本でもカナダでも「小売業」であり、効率よくモノ=薬を売ることを専業とします。だからこの部分だけは、日本のXX年先を行くことはありません。

ただ、カナダの場合、薬剤師による予防接種が出来たり、処方せんの延長ができたり、また普段よりもちょっと多めの時間をとってメディケーションレビューといったコンプライアンス・副作用・相互作用等の確認をするという仕事があります。

薬剤師がこれらをするというのは、つまり政府がこのような薬局サービスに対して報酬を支払うということであり、だからこれを「日本より進んでいる」という場合もあります。ただ、特に近年の業務の変化は、薬価差益を無くしてそれを埋め合わせるためにこれらの導入されたという背景もあります。

ただ、どんな背景があるにしても、私のように日本で大学にいってからカナダへ来た人間にとっては、日本の薬剤師としては出来ないことがカナダでは出来るという事実が、なんとなく自由な気持ちにさせてくれることは確かです。

最近の日本では薬剤師による在宅業務が非常に盛んなようですが、これは私の現在の業務範囲には入っていません。つまり、日本の方がこのような業務に関しては「進んでいる」という見方もできます。カナダでもこのような仕事に対する報酬ができればいいなと思います。

前置きが長くなりましたが、本題の薬局業務の話です。通常薬剤師は処方せんを受け取り、処方内容について監査し、薬について患者さんに説明し、そして薬を渡したあとは副作用やコンプライアンスなどの確認のためにフォローアップします(実際は稀)。しかしこの字面に現れないのは、薬剤師がレセコンを操作して、用法・用量等の情報の入った「ラベル」を作成するという作業を、処方せんの受け取り段階からしていることです。片目でコンピュータのスクリーンを見て、もう片方の目で患者さんをみて(アイコンタクト!)、キーボードをカタカタいわせながら、口ではこの薬はXXの薬で(カタカタ)1日X回飲んでください(カタカタ)、XXといったような副作用がでることもありますが(カタカタ)そのときはXXするようにしてください(カタカタ)という感じです。

今では日本でもそのような流れで処方せんを処理する薬局もあると思いますが、それでも日本の調剤薬局では伝統的に事務さんが処方入力を担当する場合が圧倒的に多いので、レセコンを触ったことのない薬剤師(特に新卒)も多いと思います。

なのに、カナダで薬局実習を始めた途端、「いかにタイピングを速く正確に、しかも喋りながら出来るか?」がこれ以上なく重要なポイントになるとは、誰も教えてくれません。

あまりに大切なのに強調されることがなかったのでわざわざ繰り返しますが、人と喋りながらブラインドタッチで速くて正確なタイピングをできないと、薬局では仕事になりません。

最近の話の流れに合わせていえば、日本人薬剤師がカナダで薬局実習するにあたって、せめてブラインドタッチが出来ていないと、それ以外の例えばちょっとしたカウンセリングができたとしても、仕事が先に進みません。それでなくても永遠に終わることがなく、たまに意地悪でいっているのかと思えることさえあるプリセプターの質問攻めにあっているかもしれないのですから、コンピュータ操作なんて二の次のように思えます。

でも、これはタダの手作業ではありません。薬剤師による処方入力は、問題発見の機会であり、タイピングは薬剤師業務の要といってもいい位に大切です。これから実習に行かれる方は、英語のキーボードで練習しておきましょう。

注:処方入力と患者指導は別に行う薬局もあります。上の説明はあくまで私の勤務先での業務の流れです。また薬局によっては、処方入力がテクニシャンによって行われている場合もあります。


2014年8月20日水曜日

予備知識 - 薬局実習について 3 「質問攻め」

薬剤師だからといっても、実習生にモノを教えるプロであるというわけではありません。
なぜなら教育学の学位でも取っていない限り、薬剤師は「人にモノを教える」という訓練はしていないからです。患者指導というケースを除いては。しかし、この事実によって、薬局実習が時として悪夢のようになることがあります。

おそらくこれは英語という言語に基づく思考方法というか、慣習のようにさえ思えますが、英語では大体の会話において「それで、あなたはどう思う?」といわれる場面があります。そして、この質問は、一番手っ取り早いところで、アイエルツの面接にさえ登場します。XXXについてどう思いますか、あなたの個人的な経験を混じえてお話ししてください、といった具合です。通常は何も難しいことを聞かれているわけではありませんが、考え慣れない、または答え慣れないトピックについて聞かれることが多いので日本人は苦労するという、それだけです。

しかし、薬局実習で同じような質問を度々浴びせられたら、これは気が狂います。
といってしまうと、誇張表現のように聞こえるかもしれませんが、とにかくストレスが溜まることは確かです。なぜなら、外国人薬剤師が薬局実習に行ったら、ほとんどの場合、「それであなたはどう思う?どうしたらいいと思う?」の質問に対する正解を知らないからです。もしも正解ではない答えを言ったとしたら、「本当にそう思う?どうしてそう思う?」という、更なる質問攻めに遭います。そしてこれは本当にストレスです。一日中だけでなく、実習期間中、ずっとこれが続いた、という話を聞いたことがあります。

「見方を変えれば」ですが、これほどまでに考える練習をさせてくれる指導者は、そうそういません。これはかなりポジティブに考えたらの話で、しかも上手なフォローアップがあってこそ成り立つ考えです。

対極に立つのは、特に実習生にすることにコメントすることなく、好きなようにやるべきことをやらせて、不備があれば薬剤師自身がそれを修正し、その日のコメントを求められたら「まあ、そんな感じでいいんじゃない?」で済ます薬剤師です。このようなケースでは、実習自体は楽になりますが、自分で考える力や問題解決能力などはほとんどつきません。そもそもプリセプターが楽をしているか、忙し過ぎて実習生の指導が出来ていないかです。

理想となる=気の利いた教え上手の薬剤師であれば、どの辺までが実習生に分かっていて、どの辺から答えを必要としているかを見透かすことができます。だから誰もがそのような人について実習したいと思います。また実習で学んだことは、じかにOSCEに関わってくるともいえるので、質の高いトレーニングを受けたいのは当たり前です。(薬局実習→OSCEの順番を選んだ場合)。

問題は、そのような薬剤師がどこにいるかは不明で、たとえいたとしても自分を受け入れてくれる可能性も予測不可能であるということです。何せ実習先は自分の足で探し、何よりも自分を受け入れてくれる場所を探すことが優先されてくるからです。

2014年8月17日日曜日

予備知識 - 薬局実習について 2 「現実として」

やはりプリセプター(実習生を受け入れる薬剤師)も人ですから、
色々背負って日々の仕事をしているというのが前回の話。

でも、仕事や、実習生に対しての態度、教え方は、
やはりプロフェッショナルであって欲しいところです。

しかも相手が外国人薬剤師となれば、ちょっとくらいはエキストラの努力を惜しまないで欲しいなという思いは自然に湧いて来ます。何しろ英語で仕事を覚えることにプラスして、異文化への順応というプロセスも通過しなければならないのですから。

しかし現実はそんなに甘くはありません。
そんな心優しいプリセプターは多分どこにもいないでしょう。

その理由の一つとして、プリセプターにとっては、普通の現地(UBC)の学生の知識レベルと作業効率がベースラインになっているという可能性があります。

そしてこの薬学部 (UBCの場合) 2年時と3年時に組み込まれている薬局実習でやって来る学生というのは、既に薬物治療に精通しており、しかも普段から薬局でアルバイトをしていることが多いので、薬局実習といってもそれは課題の消化が目的であって、未知のことや目新しいことを学ぶ機会では無いというのが現状です。(毎年学生を受け入れる側に立った個人的な見解)

だとすれば、業務に必要なことはココで覚えてしまおうと意気込んでくるのはいいけれど、レセコンもうまく使えず、薬物治療はMCQのテストに向けて現在進行形で勉強中、しかも時には英語もままならない外国人薬剤師が、やや厳しい言葉を浴びせられるのは致し方ないのかもしれません。そして、そのような経験をし、自宅に帰っては悔し涙を流した事がある外国人薬剤師は何人もいます。

これから薬局実習(インターン)に行く人に参考にして頂きたいのは、
一番最初にプリセプターに挨拶に行った時に受けたときの印象と、
実際に自分が業務の中に入ったときに見たり、感じたりする人間像には大きな隔たりがあるかもしれないということ、そしてそのような人間模様を背景にして色々なことをほとんど一から覚えなければならない外国人薬剤師にとっての薬局実習は、かなり大変なものであるということです。






2014年8月15日金曜日

予備知識 - 薬局実習について

程度の差はあっても、誰もが薬局実習先で大変な思いをするものです。

英語力や性格などを含む実習生個人の問題なのか、実習生受け入れ側の薬剤師の性格や指導方法の問題なのか、何しろ相手のいることですから判定は難しい。

英語を喋って生活している人たちは、イエスかノーがはっきりしていて、合理主義に基づいて生きているんだから、そんな難しいことはないんじゃないのーと思う人もいるかもしれませんが、これは違います。

やはり誰もが繊細な感情をもって、家族や家のローン、親の介護などを抱え、生活のために仕事をしています。つまり日本で薬剤師しているのと何ら変わりません。

そんな職場へ英語が必ずしもスムーズには喋れず、仕事もほとんど一から覚えなければいけない外国人薬剤師が実習に行くのですから、やはりこれはお互いに大変ですよね。

これから数回に分けて、具体的にどんなことが大変なのかを探っていきましょう。
仕事内容のトランジションを容易にし、実習中のストレスを軽減することが目的です。


2014年8月11日月曜日

求職者のためのリンク

いくつもの募集がありますが、病院等での募集が多いように見受けられます。

しかしチェーン薬局での仕事もないわけではありません。

「タイミング」という要素大きいといえます。

http://ca.indeed.com/Pharmacist-jobs-in-Vancouver,-BC

2014年8月6日水曜日

Safety information ... Nuvaring

Nuvaringの使用に警告(warning)が加わりました。

Pancreatitisのようなユニークな病気も含まれていますので、
しっかりとチェックしてください。

  • NUVARING® should NOT be used by women who smoke (if over age 35), or who have severe or multiple risk factors for thrombosis, including: valvular heart disease with complications, hypertension, severe dyslipoproteinemia, abnormality in proteins that regulate coagulation, diabetes mellitus with vascular involvement, or major surgery with prolonged immobilization.

  • NUVARING® should NOT be used by women who have experienced migraines with focal neurological symptoms, or pancreatitis associated with severe hypertriglyceridemia.

  • Prescribers should consider the above new contraindications and review the updated PM when discussing treatment options with their patients. 

エボラ出血熱

薬剤師的にもそうなんですが、最近、旅行医学の認定をとった私としては、
このようなニュースは看過できません。

よい勉強の機会ですので、しっかりチェックしておきましょう。(もちろん英語でも。)

今のところエボラ出血熱に有効なワクチンはなく、対症療法が基本となります。

国立感染症研究所
http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/342-ebora-intro.html

CDC Ebola hemorrhagic fever
http://www.cdc.gov/vhf/ebola/

CDC Yellow book... hemorrhagic fevers
http://wwwnc.cdc.gov/travel/yellowbook/2014/chapter-3-infectious-diseases-related-to-travel/viral-hemorrhagic-fevers

2014年8月4日月曜日

近況

最近ブログが更新できませんでしたが、その理由としては、
1.しばらくインターネットがつながらなかった
2.締め切りの迫った執筆があった
3.育児に時間をとられている
などなど。アップを楽しみにしておられた方、スミマセン。

もしも今年もセミナーやらないかなーと思われている方が居られましたら、
どの試験を受験するかを教えてください。
受験予定のテストに合わせて勉強会等を企画致します。

また、基本的にPEBC受験を考えられている方は、
どなたでもいつでもご遠慮なくご相談ください。