2015年1月21日水曜日

Tylenolという商品

Tylenolという商品名には、日本でもカナダでも馴染みのある人は多いと思いますが、Tylenolの商品名でありながら、それに「カフェイン」と「コデイン」を付加した製品については、日本にいると目にすることがありません。しかしながら、カナダでは非常に一般的な痛み止めで、医師からもよく処方されます。

通常、薬局の棚に並んで販売され、購入に際して処方せんがなくても購入できるのがごく普通のTylenol。もちろんジェネリックの製品もあり、成分名はacetaminophenと書いてあります。これらOTCの規格としては、Regular strength 325mg、Extra strength 500mg、Tylenol Arthritis 650mg。日本人の感覚的には信じられないような650mgといった高用量の錠剤がボトルで大量販売されていますから、カウンセリング時には副作用としての「肝障害」の説明が欠かせません。

また、Tylenolには番号がついているものがあります。1番から4番までがあり、これらの商品にはコデインが含有されています。1番のコデイン含有量が最低(8mg)で、4番のコデイン含有量が最高(60mg)となっています。ちなみにここでコデイン、コデインといっているのは、日本でも咳止めとして処方されるリン酸コデインCODEINE PHOSPHATEのことです。
[参考] リン酸コデインの作用機序:鎮咳薬: http://kusuri-jouhou.com/medi/obesity/codeine.html

カナダで処方せんが不要なのはTylenol #1のみで、#2から#4には全て医師の処方せんが必要です。
  • Tylenol 1 (325 mg acetaminophen / 8 mg codeine / 15mg caffeine)
  • Tylenol 2 (300 mg acetaminophen /15 mg codeine / 15mg caffeine )
  • Tylenol 3 (300 mg acetaminophen / 30 mg codeine / 15mg caffeine)
  • Tylenol 4 (300 mg acetaminophen / 60 mg codeine)
#1から#3までには15mgのカフェインが付加されていますが、これはカフェインがアセトアミノフェンの効果を増大するためであるのと同時に、カフェイン自体の血管収縮作用により頭痛に効果があるためです。


ジェネリックバージョンの薬も販売されています。例えばRatio-Lenoltecという名前で、番号がついていても同じ薬です。カナダの薬局業務ではこのTylenolという商品を知らずには成り立たないといっても過言ではない程、毎日沢山の処方せんを受けますし、OTCの痛み止めとしても患者さんに話をします。よく覚えておきましょう。

(シャープの記号「#」は、英語では「ナンバー」と読み、数字という意味です。)

0 件のコメント:

コメントを投稿