2014年1月16日木曜日

うがい薬の処方

最近日本では「うがい薬のみの処方の場合は保険の対象外とするかどうか?」という議論があるようです。http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/trend/201401/534483.html

カナダには風邪によるノドの痛み専用うがい薬というものがないので、このような議論は生まれません。

風邪でノドが痛いときには、①塩水でうがい、②アメをなめる、が薬剤師からのアドバイスになります。それ以外に特にできることはありません。

アメといっても、Cepacolという商品名のアメはbenzocaineを含んでいますから、痛み止めです。
HallsというアメはビタミンCを含んでいるものもあり、これには「免疫力をあげる」というエビデンスがあります。

ところが先日、風邪による重症のノド痛の患者さんにbenzydamineが処方されました。こんなことは滅多にありません。処方したドクターは南アフリカ出身で、2年前にカナダで仕事を始めたばかり。

通常この薬は、癌の放射線治療で口腔内が荒れてしまった人に処方され、
ファーマケアもこの条件をもとに、Special Authorityという特別申請を経て保険適応となります。

Limited Coverage Drugs - Special Authority Criteria

1. For treatment of mucositis, ulcerative complications of chemotherapy.
OR
2. Immunocompromised patients at risk of mucosal breakdown.


この処方せんが来たのと同じ日、リドカインの液体をうがいに使いたいという問い合わせがありました。こちらはカナダ出身のドクター。リドカインのうがい用液体はOTCとして購入できます。こちらも滅多にノド痛には使いませんが、よほど重症なのでしょう。

ノド痛に苦しむ人が多い今日この頃です。

参考
http://www.health.gov.bc.ca/pharmacare/sa/criteria/restricted/benzydaminerinse.html


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