2015年12月31日木曜日

禁煙補助プログラムのアップデート

ブリティッシュコロンビア州で2011年にスタートした「禁煙補助プログラム」は、1年につき最大3ヶ月分まで、ニコチンガムやニコチンパッチを希望者に無償で提供するというものです。

これまでBC州政府が投入した額は3800万ドル=38億円(注)です。
(注:1ドル=100円で単純計算した場合)

BC州の健康保険番号をもっていることが前提で、手続きとしては、州健康省直轄のナースラインに電話をして参照番号を発行してもらいます。この番号を薬局にもっていき、パッチかガムかを選択すると、1か月分が「タダ」でもらえます。参照番号が、パッチであれば28枚、ガムなら324個と引き換えになるわけです。2ヶ月目、3ヶ月目と続けていくためには、毎回新たな番号の取得が必要です。

ところが、2016年1月1日からシステムが変わり、ナースラインに電話をする必要がなくなります。つまり、薬局へいって、ニコチンパッチ(orガム)をくださいといえば、必要なアセスメントは薬剤師が行い、これらの商品が「薬剤師により処方」されることになりました。
(もっともこれらはOTCですが。)

このような州の政策に対しては様々な意見があると思いますが、なにはともあれこれで肺がんの発生率が下がればそれにこしたことはありません。肺がんの治療(全額公費負担!)となったらやっぱり大変ですから。

薬剤師としては、今からニコチン補充療法の継続教育のテキストを探して知識をアップデートしておかなければなりません。あと6時間で2016年になってしまいますから。そして、2016年は元日から仕事です(笑)。

皆様、2015年は大変お世話になりました。2016年もよろしくお願い申し上げます。


[引用] http://www.merrittherald.com/b-c-makes-quitting-smoking-easier/

2015年12月28日月曜日

新年会のお誘い(朝!)

目の前に近づいている2016年新年会のお誘いを、再度お知らせします。
目的は薬剤師&受験生同士の交流を通して、情報交換し、またヤル気を上げていくことです。

対象:カナダの薬剤師を目指している人(または計画のある人)&カナダで薬剤師になった人
日にち:2016年1月3日(日)、9時~
場所:バンクーバーダウンタウンのカフェ(TBA ...人数に合わせて後で決定し、お知らせします)

一年に1回開かれるかどうかの非常に貴重な集まりです。

カナダで薬剤師を目指そうと思っている方は、是非御参加ください。

参加希望の方は、コメント欄からご連絡ください。(名前等がブログ上に公表されることはありません。)

2015年12月25日金曜日

個人的なクリスマスの過ごし方

子供が幼稚園や学校に通い始めると、私のような日本人家族が日本へ一時帰国出来る時期は限られてきます。どうせ12月は薬局が一番混雑する時期で、私としては非常に仕事が忙しくて休みがとれませんので、今回私以外の家族構成員が日本に帰ることにしました。もっとも子供達に「日本のお正月」を体験してもらうのは悪い話ではありません。

だからといって、プライベートに時間の余裕ができたかといえば、そうでもありません。
なぜかといえば、「勉強」が山積みになっていたからです!

地理的な条件により、都市部で行われる勉強会等に参加することは滅多にないので、オンラインで単位の取れる継続教育が私の勉強のメインです。そして、これらの章末問題には通常「提出期限」が決まっています。

色々なトピックがアップされる度にメールで送信されてきて、内容的に面白そうで、これは一度勉強したほうがいいかなと思うものは多々あります。

そして「これは時間を見つけたときにやっちゃおう!」と思っていても、そんな時間は一生見つかりませんから、気が付けば締切りが過ぎていた(!!)という残念なケースもあります。

勉強時間というのは無理矢理作らなければいけませんし、また形にこだわらず無理矢理にでもやらなければいけません。

一時は、ipadミニを使って、ダウンロードしたPDFファイルに書き込みしながら勉強していました。これで保存するべき紙の量が激減したのはいいことでしたが、たまに特定の章をやっていたことを忘れて、締め切りが過ぎてしまうことがありました。これは頂けません。大体、あれもこれもと色々ダウンロードだけして、勉強した気になってしまうのも良くないのです。

結構アナログ派なので、というか、そのほうが色々確実なことが多いと個人的には思うので、最近では読むべき資料や提出する課題等を全てプリントアウトし、ペンを片手に片っ端からやることにしました。勉強の基本に回帰です。

家ではずーーーっとクリスマスソングのかかっているラジオをつけて。また時には早朝からスタバにこもって。やっぱり朝の勉強っていいですよね。夜に比べて頭がはるかにクリアです。

どうしても電子的に保存したい資料などは、「ドキュメントスキャナー」(安くはなかったけど購入!)で読み取ってコンピューターに保存することにしました。でも、実際にそういう必要のあるものは意外と少ないんですよね(笑)。

そうこうしているうちに今日はもうクリスマス。明日になれば、お店やラジオのクリスマス音楽が一気にほかのものに変わってしまいます。毎年これは結構寂しいなーと思いますが、いつまでもクリスマスソングがかかっていてら、それはそれで季節感がなくなりますからね。

なんてことを思いながら、いまだに高い山のようになっている資料を一つずつ読んで、締め切りになる前に、また子供達が帰ってくるまでに出来るだけ沢山の問題を終わらせないと!と焦りながら過ごす2015年のクリスマスでした。









2015年12月20日日曜日

クリスマスシーズンのカナダの薬局

通学途中の小学生から、ハーハー息を切らしながらジョギングをするシニアまで、サンタの帽子を被り外を歩き、夜になればそれぞれの家がイルミネーションをキラキラさせ、その一方でクリスマスショッピングで小売店は大賑わい。こちらではクリスマスが日本の年越しに相当する位置づけですから、出来るだけ色々なことをクリスマス前に片付けてしまいたいと、誰もがソワソワした感じです。また遠方にいる家族も可能な限り実家に集います。

そんなに誰もが多忙なのに、昨日トラックを借りて自力で引越し作業をしていた隣人に、複数の通りがかりの人達が「手伝おうか?」と言って足を止めて箱を運ぶ作業を手伝ってくれていました。田舎の話ですが。そんな日本人的非日常に値するこちらの日常の様子を聞いて目を輝かせてしまう人、外国での生活に向いているかも知れません。

ちなみに薬局では、公的および民間保険が年末で一区切りする、すなわち12月にリフィルをオーダーすると自己負担額が一番少ないという人が多くいるため、今が最も忙しい時期となります。従って、サービス業としては一般的なクリスマスホリデーというのは望めないのはやや残念なところではあります。

2015年12月19日土曜日

新年会のお誘い

2016年を挑戦の年(!)としている方、是非御参加ください。

対象:カナダの薬剤師を目指している人(&カナダで薬剤師になった人)
目的:薬剤師&受験生同士の情報交換と交流を通し、やる気を上げていくこと。
日にち:2016年1月3日(日)
場所:バンクーバーダウンタウン(会場未定)
時間:8時半(または9時...未定)

参加希望の方は、コメント欄からご連絡ください。
(名前等がブログ上に公表されることはありません。)

Merry Christmas!!

2015年12月17日木曜日

IELTSのスコアとコツ

BCCP(BC college of pharmacist)から資料をコピーしますが、カナダで薬剤師になるためにはIELTSの各セクションで「6」、平均が「6.5」取ることが必要です。簡単に言えば、各セクションで6.5を取れれば合格です。

たとえそれが出来なくても、得意なセクションで7とか8の高得点をとり、苦手なセクションで最低6がとれば大丈夫ということです。これは、日本で薬剤師になった人であれば、それ程難しくはないことだと思います。もちろん一番の課題は、慣れないスピーキングになるとは思いますが。

2009年11月に改定されるまでは、もっと厳しくて、各セクション「6」、オーバーオール「7」が必要でした。言い換えると、全てのセクションで7をとる。または、どんなに苦手なセクションでも最低6、この場合には得意なセクションで8をとる必要があったということです。私はこれには非常に苦労しました。

勉強を始めた頃、リーディングセクションの難しさに驚愕しました。英語は得意なほうでしたが、どんな分野が得意なのかによります。サイエンス系に偏っているIELTSの問題は、単語の難易度が高く、問題もそれまでのトーフル等とはやや異なっていたため、理系でありながら本当に四苦八苦しました。では、どうやってそれを克服したか?

反復練習あるのみです。

最近のカタカナ好きの日本人向けに言い直せば、
「レペティション(repetition)」がキーポイントです。

同じ問題でも、違う問題でもとにかく「量」を重視した練習をこなすことで、傾向がつかめてきます。何のことは無い、日本の国家試験の勉強を始めたときと一緒です。まずは過去問からやってみるか、ひととおり終えたから同じ問題をもう1回やってみるかという感じで、でもそれが一番の近道です。

リーディングでいえば、誰もこんなことは私に教えてくれませんでしたが、
大問を1→3→2の順番で進めると一番効率が良いことに気が付きました。
大問2が他の2つよりも難しかったためです。順番を変えるだけで、大きく前進しました。

また、苦手なセクションは必要以上なスコアを求めないことも重要です。

私は当時、ライティングとスピーキングが得意にはなれませんでしたが、それでも最低の6だけは確保できました。数字をみれば激しくデコボコですが、リスニング8、リーディング7.5、ライティング・スピーキングともに6、これでオーバーオール7を確保したこともありました。立て続けに受けたその後のテストではもっとまともな点数の取り方ができましたが。

強調しますが、大切なのはレペティションです。
くじけずに頑張りましょう。


[引用] http://library.bcpharmacists.org/E-Registration_Licensure/E-4_Pharmacy_Technician/NAPRA-PT_LP_Reqs_Canada_Nov2009.pdf

2015年12月14日月曜日

日本にいながら準備出来ること(英語)

カナダで薬剤師を目指すほとんどの人が、受験とその準備の間、日本とカナダを往復します。結婚移民していない人の場合、長期滞在できるビザが無いことが大きな理由で、その他にも受験資金捻出のために一時就労するというのも普通です。

カナダの国家試験であるPEBCに対しての資金が多くかかるのは事実ですが、それ以外にも英語力を証明するテストの受験費用もバカになりません。

もっとも一般的なものがIELTSと呼ばれるもので、1回の受験費用が約2.5万円です。しかも残念なニュースは、これに1回合格する人はほとんどいないということです。「読み書き+聞く話す」の4技能のバランスが取れていなければならないためで、一つがズバ抜けてよくても、どれかが一定のスコア以下であれば、テストの受けなおしです。(この理由でIELTSを何度受験したことか。。。)

カナダへ来る人の間では一般的でも、米国では最近とりいれ始めた程度のものなので、TOEFLに比べて受験者の数が違います。つまり、日本語での参考資料は限られており、IELTSを日本語の参考書で勉強するのは結構大変ということになります。

でも、英語でグーグルすれば参考問題や模範解答資料は沢山みつかりますから、まるで路頭に迷うことはありません。

では、この英語のテストの勉強をどの段階でするか?です。

IELTSは日本でも受験できますから、究極的な話、ずーっと日本にいてもクリアできるテストです。将来カナダで薬剤師試験を受験しようという思いや目標が少しでもあるのならば、大学生のときからでも受験しておくべきです。また日本で働きながらでも受験するべきです。

私もそうするべきでしたが、「IELTSは点数がとりやすいからこれを受けるべき!」といった情報は、当時はありませんでしたから、何度となくTOEFLやTSE(別途開催されていたスピーキングのテスト)を受験し続けていました。(そしてその後テストを変えて、IELTSも何度も受けました(悲)。)今では薬局業務に差し支えなく英語を使うことができますが、子供の幼稚園で本を手にとってみれば知らない単語を目にすることはまだまだあります。

長くなりましたが、今日のポイントです。
将来カナダで薬剤師を目指す人、今からIELTSを受けてください。
100%日本にいながらクリアできるテストです!

2015年12月12日土曜日

オプショナルな薬剤師的専門資格

旅行医学の国際認定(Cetificate in Traveh Health)は、その一つで、私も2014年の試験(受験地:ベトナム・ホーチミンシティ)に合格して、これを取得しました。

これをとったおかげで、会社のミーティングやカンファレンス等で他の薬剤師との交流が増えたのですが、この中で気付いたのがアルバータ州の薬剤師の自分と比較にならない勉強熱。

ある薬剤師のEメールの名前の最後に羅列されている資格をコピると、
Additional Prescribing Authority
Certificate in Travel Health, ISTM
Certified Diabetes Educator, CDE
Certified Tobacco Educator, CTE

もはや当たり前すぎてInjection pharmacistとは書いていません。

また、この他にもCertified Asthma Educator, CAE。
さらにCOPDも包括する形でCertified  Respiratory Educator, CREという資格も存在します。

より良い患者指導=薬局サービス、患者さんにとって有益かつ薬剤師の専門性を発揮できるWin-Winの形が出来るよう、勉強を続けていくしかありません。

一つの資格をとったことで、視野が広がり、今後更に頑張ろうと思えました。





2015年12月11日金曜日

フルミストの薬剤師による投与が解禁

今はかなり落ち着きましたが、それでも一日に何人かがインフルエンザの注射を受けにやってきます。

そんな中、ブリティッシュコロンビア州では、薬剤師によるインフルエンザワクチンの経鼻投与が認められました。具体的には「フルミスト」の投与です。

11月の薬剤師免許更新の際には、オンラインのトレーニング(プレゼンテーションのみ)をとることが義務付けられていましたから、この動きは当たり前といえば当たり前です。12月3日まではトレーニングは受ける必要があるけれど、接種はできないという状況でした。もっともワクチンそのものの供給も遅れていたのですが。

以前にデモを触ったことはありますが、取り扱いは至って簡単です。

このように薬剤師が色々な仕事ができるようになっていくのは非常に良いことだと思います。

Qualified pharmacists can now administer intranasal immunizations. Effective December 3, 2015, the Ministry of Health made amendments to the Pharmacists Regulation, which allows qualified pharmacists to administer a drug (Schedule I, IA or II) or substance (Schedule III) by intranasal route.
http://www.bcpharmacists.org/news/intranasal-drug-administration-now-effect


2015年12月3日木曜日

薬剤師の処方権

遅ればせながら、ブリティッシュコロンビア州でも薬剤師により薬が新規処方できるような動きが出てきました。

BC州の薬剤師協会(College of Pharmacists of BC)の会議で、「Certified Pharmacist Prescriber Initiative」原案が承認されたとのこと。(November 20, 2015 Board Highlights)

医療費抑制という目的もあると思いますが、もっとも基本となるのは
"It also focuses on case scenarios where the pharmacist prescriber would benefit from patient care. "
の部分でしょう。

他の州では既に、報酬の発生する専門領域としての仕事として取り入れられています。

BC州の薬剤師の職能を拡げる新たな機会に期待が高まります。

[参考]

サスカチュワン州 Guidelines for Minor Ailment Prescribing

http://medsask.usask.ca/professional/guidelines/

アルバータ州 Additional prescribing authorization(APA)

https://pharmacists.ab.ca/additional-prescribing-authorization

2015年11月28日土曜日

On the job training?

最近聞かれた質問の一つですが、カナダの薬局でOJTはないのかという質問です。

それというのも、日本の求人には「充実した教育システム(または研修制度)」といったフレーズが並び、これは良い意味で勉強欲・成長欲のある薬剤師にとって重要なポイントです。

しかし、このような制度はカナダにありません。

基本的な薬剤師業務は実務実習やアルバイトを通して、学生のうちに全て出来るようになって大学を卒業してくることが理由でしょう。慣れる必要があるとすれば、その薬局のレセコンとちょっとしたローカルルールくらいです。

BC州にいる外国人薬剤師としては、今では必須であるブリティッシュコロンビア大学のCanadian Pharmacy Practice Programを通して勉強し、練習と経験を積むしかありませんが、もちろんこれで充分な訳がありません。プログラムは1年にも満たない上、実務実習は数ヶ月です。

したがって、外国人薬剤師は仕事に就くのが難しいだけでなく、実際に仕事をこなすことが難しいのが現状です。

運よく雇われて、たとえ自分で「お、俺(私)ってまあまあイケてるんじゃない?」と自分で感じていても、その仕事を他の薬剤師から見ると結構悲惨な状態だったりします。(自分の過去の経験から。)

では、雇ってくれる薬局がなければ、他の人はどうやっているのかといえば、どこかの薬局でアシスタントの給料で雇ってもらい、ある程度の業務経験を積みながら、薬剤師待遇で雇ってくれるところを探す、といった状況です。決してベストな方法ではありませんが、他に薬局に勤める方法があるかといわれれば、ありません。これが今のところ唯一のOJTとなりうる方法です。必ず他の薬剤師と一緒に仕事ができるわけですから。(もちろん他の薬剤師の理解も必要です。)

大きなチェーン薬局ではこのようなことはしてくれないかもしれませんが、個人経営、フランチャイズの薬局では割と融通が利くように感じます。参考までに。


2015年11月26日木曜日

Pharmacists (NOC 3131)

Welcome BCというサイトで、薬剤師という仕事についてのまとめがありました。
参考にしてください。



http://www.welcomebc.ca/Work/fqr/Your-Qualifications-Intro/occupational-guides/Occupation/Pharmacists.aspx

Becoming qualifiedのページを見ると、外国人薬剤師としてカナダで資格をとれるまでの期間が1年~2.5年とありますが、これは人によって大きく幅が出てくると思います。従って、必要経費としても、この額には収まる人はかなりラッキーでしょう。

多くの場合において日本人薬剤師は、受験費用捻出のために日本へ帰って仕事をしますから、この飛行機代はかなりの額になりえます。かといって、結婚移民で配偶者に全面的なサポートをうけたり、まとまった額の貯金が手元にない限り、他の選択肢がないことも事実です。




それだけの苦労をしても、外国人薬剤師としては仕事探しが非常に困難な昨今です。
PEBC(国家試験)に挑戦しようか迷っている人は、いつでもご連絡ください。
特にスゴいアイデアがあるわけではありませんが、メール相談は無料で受付けしています。

2015年11月6日金曜日

今年のインフルエンザワクチン(続)

この時期、次から次へと予防接種もこなす一方で、インフルエンザワクチンに関して様々な資料に目を通す必要が出てきます。

National Advisory Committee on Immunization (NACI)がカナダの国としての予防接種ガイドラインの基本型になりますので、全てはこれに従います。


特に付録のワクチンのまとめは非常に分かりやすくできています。参考にしてください。





2015年10月21日水曜日

今年のインフルエンザワクチン

日本でも、今年のワクチンは「4価に変わる」と色々なところで解説がついています。
https://www.m3.com/open/clinical/news/article/361851/

カナダでも同様に4価のワクチンが導入され、この商品名は「Fluzone」。
アメリカのサイトですが、よく解説されています。参考にしてください。
http://www.fluzone.com/health-care-professionals/fluzone-quadrivalent-vaccine.cfm

2015年10月7日水曜日

糖尿病関係の資料

先日の勉強会や元同僚(カナダ版糖尿病指導士)との会話の中で、自分の知識が大幅にビハインドであることを、少なくとも自覚できたので、色々な資料で勉強しようとしている今日この頃。

カナダの場合、2013年のCDAガイドラインが薬物治療の基本となるので、これをインターネット上で眺める作業も一つ。まあ、そのボリュームにビックリします。もっとビックリするのは、この世には膨大な糖尿病関係の資料(インターネットで閲覧可)が存在すること。このような勉強に終わりはありませんね。

Canadian Diabetes Association の資料、参考にしてください。
http://guidelines.diabetes.ca/fullguidelines


2015年9月28日月曜日

血糖値測定器

糖尿病の患者さんを多く抱える薬局やCDE(Certified Diabetes Educator)のいる薬局では、単に「ミーター」と読んでいますが、正式にはBlood glucose meterのこと。

私の住んでいる田舎では滅多にないディナー付勉強会があったので、参加しました。
ホストは「One Touch」製品を販売するLife Scan社。

製品一覧はこちら。
http://www.onetouch.ca/our_products

今時、スマートフォン型で、色々な機能がついていることを売りにしている測定器が多い中、これから投入する新製品はベーシック機能と簡便さを追及して作ったとのこと。高齢者にはこちらの方がウケが良いと、私も思います。

色々な会社があり、それぞれに特徴が異なりますので一度は目を通してみてください。
代表例を以下のリンクにまとめます。
https://www.bayerdiabetes.ca/en/products/
https://www.abbottdiabetescare.ca/products
https://www.accu-chek.ca/ca/en_CA/products/index.html
http://mydario.ca/
http://www.mystarsanofi.com/web/
http://www.gediabetes.ca/ge200/

2015年9月14日月曜日

近況

しばらく前からブログの更新がまったく追いつかなくなりました。
で、サイトを一時閉鎖しておりました。

今後も多分以前ほどにはアップできないと思います。
それでも過去の記事が参考になればと思いますので、
ブログはそのまま一般公開状態にしておきます。

質問などには随時お答えいたしますので、コメント欄からご連絡ください。

今後もよろしくお願い致します。

2015年8月12日水曜日

非公式勉強会

特に参加者募集や宣伝することはありませんが、不定期で勉強会を行っています。

先日も、IELTSからOSCEまでの道のりと、それぞれのポイントについてお話してきました。

今後も適当に勉強会をやっていきますので、興味のあるかたは一度ご連絡ください。

2015年7月12日日曜日

OSCE合格の報告

この春のPEBCの試験から、また合格の報告を頂きました。
筆記はすでに合格されていたので、今回はOSCEのみの受験となりました。
しかしOSCEは日頃から充分なトレーニングしていなければ、決して合格することはできません。
仕事を続けながらOSCE合格を手に入れたYさん、本当におめでとうございます。

2015年7月7日火曜日

日経DIコラム (3)

セミナーや交流会でお会いした人にはよく紹介していますが、カナダでは薬剤師がトラベルクリニックを運営して、注射やコンサルテーションを行うことができます。

5月にケベックシティで開催された国際旅行医学会を紹介する記事を日経DIの「まいにち薬剤師」というコラムで掲載して頂きましたので、参考にしてください。

2015年7月6日 掲載、「薬剤師が国際旅行医学会で学ぶこと」というタイトルです。

2015年6月30日火曜日

薬剤師交流会の報告

6月27日(サッカー日本女子チームがオーストラリアに勝利した日!)に、グローバル薬剤師のシェアノートSayaさんとのコラボレーションで薬剤師交流会を開くことができました。旅行やワーキングホリデーでカナダに一時滞在している方に参加して頂けたのは非常にありがたいことでした。今後もより多くの日本人薬剤師がカナダに誕生して、より大きなチカラとなってカナダ社会および邦人コミュニティーに貢献していければ何よりです。今後も受験やカナダでの薬剤師業務に関する質問があれば、いつでも連絡してください。

2015年6月24日水曜日

Payment support program

保険制度の都合上、カナダでは医薬品費の自己負担は非常に高額になることがあります。特に昨今頻繁に処方されるようになった生物学的製剤などに関しては、素晴らしい薬がこの世の中に存在するのに高すぎて買えない!という状況さえも発生します。

そこで製薬会社が自ら支払いサポートプログラムを立ち上げ、患者さんの手に薬が届きやすいようにしています。例としては、Amgen社のEnbrel、Prolia、Neupogenなどです。このようなペイメントサポートプログラムと連絡をとりあい、患者さんが金銭的な心配をすることなく薬を受け取れるようにすることも薬剤師の一つの大事な仕事ですが、もちろんアシスタントやテクニシャンがこのような仕事を担当することもあります。

具体的な作業としては、オンライン請求に使えるように発行されたディスカウントコードをレセコンに入力したり、電話で伝えられたビザカードの番号を利用して、患者さんに高額な負担がかからないようにします。

あまりに高額の伝票が出てきたら、本当にその患者さんが支払いをできるのか?何かしらの割引手段があるのか?等、常に確認する習慣を身につけなければなりません。

薬を全て準備したあとで、「この薬は高いので買えません。キャンセルしてください。」などと言われた日には、高額な在庫を抱えることにもなりかねず、これは経営上良いことではありません。

参考 Amgen
https://www.amgen.ca/english/patients/patient_assistance.html

旅行に関する感染症情報

世界で流行中の感染症についての情報をまとめて入手できるサイトを知っておいて損はありません。一般的にカナダとアメリカでは旅行に際しての健康情報が充実していますが、アメリカではもちろんCDC(Center for Disease Control)、カナダではPHAC(Public Health Agency of Canada)が重要な情報源になります。

CDC Travel Health Notices http://wwwnc.cdc.gov/travel/notices

PHAC Travel Health Notices http://www.phac-aspc.gc.ca/tmp-pmv/notices-avis/index-eng.php

ちなみに日本では、厚生労働省検疫所FORTHが感染症の情報提供を行っています。
http://www.forth.go.jp/

2015年6月22日月曜日

MERS

毎年何かしらの感染症が流行するというのが不思議なところで、ひとつが収まればまた別の新しい病気が現れてと。エボラも完全に収束したわけではないのに、これは大変としかいいようがありません。MERSも最近の感染症の一つです。とくに特効薬があるわけではないので、それが何かを知っておいて、お客さんからの質問に備えるというくらいしかできません。英語で情報が知りたいときは、アメリカのCDCが一番です。FAQとは、「よくある質問」という意味ですが、このような形で知識の準備は必要です。
Middle East Respiratory Syndrome (MERS)

Frequently Asked Questions and Answers

http://www.cdc.gov/coronavirus/mers/faq.html

2015年6月17日水曜日

Oral Rehydration Solutions (ORS)

昨年あたりからよく薬局にサンプルが送られてくるのですが、
ORSの「Hydralyte」という製品があります。

脱水症状を防ぐ為の電解質ドリンクといってしまえば至極単純ですが、
旅行や夏のスポーツに際して薬剤師的には知識の準備が必要です。

販売元のHydration Pharmaceuticals Canadaは、CE用のビデオをオンラインで見れるようにしていますので、一度チェックしてみてください。(注:アクセント強)
http://www.hydralyte.ca/healthprofessionals/past-webinars/


その他の資料も参考に。
Oral Rehydration Solutions (ORS)
http://travel.gc.ca/travelling/health-safety/rehydration

2015年6月7日日曜日

履歴書の書き方(サンプル)

もちろん色々な形があるのですが、最近こちらのサイトの履歴書の例をみていて、スゴイなーと思ったので、参考にしてください。ミシガン工科大学からです。
http://www.mtu.edu/career/students/docs/resume-handout.pdf

北米では通常、志望動機を簡単にまとめた「カバーレター」と、職歴や学歴などをまとめた「レジュメ」をセットで用意します。いずれにおいても、長すぎ、短すぎは良くないで、バランスをとるのが非常に難しいのです。

もちろんグーグルで検索すれば、様々なテンプレートが出てきますから、そこから自分の性格に合ったものを選んでも良いと思います。

2015年6月4日木曜日

学会報告

5月下旬にケベックシティ開かれた国際旅行医学会総会に行ってきました。
講演を聴くことがメインでしたが、非常に勉強になった学会でした。
折角なので、近いうちにもっと正式なレポートをまとめたいと考えています。

同じ学会が2年後に開かれますが、場所はスペインのバルセロナです。
そもそも旅行好きのナースやドクターが集まっている雰囲気もあり、
次回参加について話をした人は皆、「スペイン?行くよ!」とのこと。

私自身も、すでにスペイン(ついでにポルトガル)の旅を計画中です。

http://www.istm.org/cistm15


2015年5月23日土曜日

薬剤師交流会のお知らせ(バンクーバー)

グローバル薬剤師のシェアノートを主宰するSayaさんをホストに、交流会を開催することになりました。

日時:6月27日
時間:午前10時~12時
場所:バンクーバーダウンタウン
対象はカナダの薬剤師に興味のある日本人薬剤師、PEBC挑戦中の人、PEBC浪人中の人、PEBC合格済の人...つまり基本的に日本人薬剤師の方は誰でもWelcomeです。

参加希望の方は掲示板からご連絡頂くか、またはFBからSayaさんに直接御連絡ください。https://www.facebook.com/globalpharmacist


2015年5月20日水曜日

テクニシャンプログラムをとって思ったこと?

Regulated pharmacy technicianといった明確な区分などなかった過去においては、もちろん認定試験もなかったので、日本人として薬剤師を目指す人はまずテクニシャンプログラムをとり、薬局英語力をつけ、実務入門を兼ねて当面の資金作りの準備をして、カナダに定住することを目指しました。しかし、現実的にはそのテクニシャンとして働くことでさえも、ビザや需要と供給の問題により決して簡単ではありませんでした。。。。というのは、他の誰でもなく私自身のことです。

結局日本で薬剤師免許をもっているなら、カナダで薬剤師を取ったほうが得策だという当たり前の結論に至り、テクニシャンプログラムを修了してからPEBCの準備を始めた訳です。

ネックになったのは何より英語でしょう。カナダ人の彼女がいたわけでもなく、憧れ一本でカナダを目指したわけですから、なんといってもコミュニケーション能力が足りません。TOEICはカナダに来る前に800点以上ありましたが、ローカルの人間に混ざって会話をしようとすれば「TOEIC800=コミュニケーション力"ゼロ"」を再認識せざるを得ませんでした。

で、どうすればそんな力がつくかかといえば、カナダ人の中にどっぷりつかるのが最短ルートだったのです。ついでにカナダの薬局への足がかりができればいいなという思いから、カナダの田舎のテクニシャンプログラム(1年)を選択したのが今から10年以上前の私です。

一言でまとめるなら、このときの経験は現在非常に役に立っています。
しかし時代は変わりましたから、これが誰にでも役に立つものだとは、当然思いません。

2015年5月19日火曜日

無資格業務?

日本で無資格調剤が問題となっておりますが、カナダではどうでしょうか?という話です。

薬局の「アシスタント」であれば、雇われさえすれば誰でもなれます。

一方、薬局「テクニシャン」の現在の正式名称はRegulated Pharmacy Technician(RPT)です。数年前から認定、つまり試験(国と州の両方)に合格することが必要となりました。

より薬剤師っぽくなったように見えますが、RPTは薬剤師ではありません。誤解のないように。

BC州でRPTになるためのプロセスをUBCのサイトからコピーしましたが、これは過去にアシスタントとしての経験があっての話。この暫定プロセスは2015年をもって終了します。来年以降は、プログラムを取らなければRPTになることができません。

このRPTになったからといって、薬剤師のような仕事がなんでも出来るわけではありません。
そして仕事の幅は勤める薬局によって大きく変わってきます。
が、これは実は大きな問題です。線引きが難しいのです。

RPTが処方せんのオンライン請求やネットワーク上での相互作用の確認を含む処方せん入力作業をしてよいのか?

入力したとして、あとで薬剤師に報告・確認すればよいのか?

RPTが医師へのファックスを書いていいのか?
それを薬剤師が見ていればよいのか?あとで内容チェックすればよいのか?

RPTがOTCを薦めてよいのか?どの程度ならよいのか?ではMinor Ailmentを勉強している薬剤師の立場と知識は何のためにあるのか?

などなど。

計数調剤を行うアシスタントが不要だと思ったことはありませんが、場合によっては薬剤師ではない立場にありながら患者ケアに深入りする可能性のあるRPTは立ち位置が難しいものだと思います。結果、仕事の幅の決定は共に仕事をする薬剤師に任せられてしまうわけです。

また、試験に合格したからとか、アシスタントとしての経験があるからといって、どこまで知識と技能を信用できるか、さらにはRPTとして薬剤師との業務の線の引きどころをRPT自身がどの程度自覚しているかを見極めるのが、薬剤師としては難しいところです。

究極的には、RPTの介入によって薬剤師が患者ケアを確保しなければならない場面を見逃すことが、薬剤師としては一番怖いのです。



2015年5月17日日曜日

薬剤師的ターニングポイント

私の勤める薬局の「顔」であったベテラン薬剤師が4月30日をもって退職しました。勤続年数にして10年以上、家に近い別の薬局で働くことになったそうです。新米として仕事を始めるときは色々なことが勉強ですが、特に「患者さんのためになる、よりよいサービスとは何か」を勉強させてもらいました。

これで、私が仕事を始めたときの薬剤師は、自分以外全員いなくなってしまいました。上記の薬剤師以外にも、昨年だけで他の一人は移動、また他の一人はリタイアしたばかりでした。自分にとっても、馴染みのお客さんにとっても大変寂しいことで、他のスタッフは今後処方せんの枚数が減ることを懸念しています。

私は現在の薬局で丸7年働くことになりますが、上の3人は10年から40年のこの地でのキャリアがありましたから、知っている顔と寄せられる信頼の数が違います。どんなに紙で勉強だけをしていても追いつけない部分です。

しかし、色々なことを教えてくれる人はいなくなりましたから、こんなときこそCEなどの勉強を地道に続けながら、頑張るしかありません。私の担当するトラベルクリニックもやや停滞していますから、営業活動に力を入れる必要を感じています。








2015年5月7日木曜日

日本脳炎 (Japanese Encephalitis; JE)

日本で幼少時の定期予防接種に名前があったこと位しか覚えていませんでしたが、
旅行医学の試験とその後のトラベルクリニックではまともな知識が必要とされるようになりました。
皆さんも参考までに。

JE virus is the leading cause of vaccine-preventable encephalitis in Asia and the western Pacific. 

For most travelers to Asia, the risk for JE is very low but varies based on destination, duration of travel, season, and activities

JE virus is maintained in a cycle involving mosquitoes and vertebrate hosts, mainly pigs and wading birds

Humans can be infected when bitten by an infected mosquito

Most human infections are asymptomatic or result in only mild symptoms. 

However, a small percentage of infected persons develop inflammation of the brain (encephalitis), with symptoms including sudden onset of headache, high fever, disorientation, coma, tremors and convulsions

About 1 in 4 cases are fatal. 

There is no specific treatment for JE. 

Patient management focuses on supportive care and management of complications. 

Steps to prevent JE include using personal protective measures to prevent mosquito bites and vaccination.

引用: http://www.cdc.gov/japaneseencephalitis/

2015年5月6日水曜日

日経DIコラム(2)

5月1日付けで、日経DIのコラムに2本目の記事が掲載されました。
タイトルは以下のとおりで、リンクも貼っておきます。
読んでみてください。

薬剤師の存在意義が問われているのは日本だけじゃない?(2)
薬局でのプロフェッショナルサービスに異議あり
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/mainichi/201505/541968.html


2015年5月5日火曜日

National Immunization Awareness Week(April 25 to May 2, 2015)

タイトルのとおり、カナダは4月25日から5月2日まで、

”National Immunization Awareness Week”


でした。

だからといって、注射を受けにくる人が増えたわけではありませんでしたが、
季節柄、破傷風(Tetanus, Lockjaw)の注射をリクエストしてくる人が多いように感じます。

オンラインの資料がいくつもありますから、困ったときは参考にしてください。

Canadian Immunization Guide

Parents' guide to vaccination

Vaccination: Are we there yet?

ImmunizeCA

2015年4月28日火曜日

ホメオパシーの承認プロセス

CBCのドキュメンタリーですが、ホメオパシー原料を含む商品の販売に際して適切な試験が行われていないことが指摘されています。

最近特に増加している「ナチュラル」で「健康に害がない」ものを好む人をターゲットにして、売り出されているような感があります。

そのような商品には「効果も無い」ものがほとんどであることを薬剤師としてはきちんと説明しなければなりません。

この放送が本当であれば、臨床試験なしにパッケージ上の各効能を承認する政府は、確かに理解に苦しみます。

でも、薬局は小売業でもありますから、お客さんの好みや考えを尊重することも忘れずに。



Drugstore remedies: Licence to Deceive (CBC Marketplace)

2015年4月26日日曜日

MMRワクチンの接種に際して

カナダでは薬剤師が注射をする(!)とはいっても、そこには色々な状況を想定しなければなりません。最近のMeaslesの集団発生により、州政府はワクチンを無償で提供しています。

この無償というのは、「条件を満たせば」という話です。

以下にBC Pharmacy Association からのメールをコピーしますが、MMRワクチンは、過去の接種歴、書面または電子的な履歴の有無、誕生年、職業等により、ワクチンを必要としているか否かが決定されます。患者さんに「MMRの注射を打ったほうがいいですか?」聞かれた時にはきちんと答えられるようにしましょう。

In light of recent news about measles, you may be receiving requests from the public for measles vaccinations. Ensure that you review a patient's eligibility for publicly-funded vaccine prior to offering private pay vaccine.

There is some confusion regarding publicly-funded MMR vaccine for those born before January 1, 1970 (January 1, 1957 for health-care workers). These persons are generally assumed to have acquired immunity to measles or mumps from natural infection, however, there may be susceptible individuals in this age group. 

Those who self-identify without a history of measles or mumps vaccine or disease may be considered susceptible and should be offered one dose of MMR vaccine.

ネパールでの地震


地震で被害に遭われた方へ お見舞いとご冥福を心よりお祈りします。

2015年4月24日金曜日

メディケーションレビューのスタイルに質問? 

先日のメディケーションレビューに質問があれば、ぜひとも共有していきたいと思います。
どんな些細なことでも、コメント欄から投稿ください。投稿がすぐに表示されることはありません。

日本でも残薬の問題が顕著になっていますから、このような場合には薬剤師が活躍できることは容易に想像できますし、厚生労働省もそのように考えています。日本にも報酬付きで、レビューシステムができるといいですね。


飲めずに「残薬」、山積み 高齢者宅、年475億円分か


残薬対策、薬局の活躍方策検討‐衆院本会議で塩崎厚労相





2015年4月22日水曜日

メディケーションレビューのスタイル 

日本人には馴染みの薄いこのサービス。日本式の調剤薬局業務に慣れていると、体系的にレビューを行うというアイデアが浮かびません。

オンタリオ薬剤師協会がビデオを作製し、オンラインで見れます。質問内容等としては目新しくないようにも思えますが、ガイドラインに沿ってレビューを行う際の流れが分かりやすくなっています。

是非参考にしてください。



BEYOND THE COUNTER: MEDSCHECK
https://www.opatoday.com/professional/resources/for-pharmacists/programs/medscheck/beyond-the-counter

2015年4月21日火曜日

薬あれこれ Seebri

この薬は最近よく使われるようになってきています。
この手の"how to use"の英語での説明は、暗記するしかありません。
https://www.youtube.com/watch?v=Y8iPQfwBWcQ
馴れさえすれば、2分弱で説明は終わりますから、繰り返し練習してみましょう。

日本語でも復習を。
http://www.totalcare-copd.jp/seebri/m_feature/


2015年4月20日月曜日

ケベックシティーでカナダの薬剤師を目指している人?

5月末に学会のためにケベックシティーに行きます。

ケベックシティー(またはその近辺)でカナダの薬剤師を目指している日本人の方、
是非一緒にお食事でも。

この投稿にコメントする形で御連絡ください。
個人情報はブログ上に表示されません。

2015年4月18日土曜日

日経DIコラム

日経DIの参加型コラム「まいにち薬剤師」に記事が掲載されました。すでに本ブログで触れたCBCの薬局関連のニュースを再編しました。参考までに。
薬剤師の存在意義が問われているのは日本だけじゃない?薬局での相互作用などの説明の有無をカナダの放送局が覆面調査http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/mainichi/201504/541683.html

2015年4月15日水曜日

Typhoid fever


Typhoid feverとは腸チフスのこと。Paratyphoid feverパラチフスとセットで話題になります。

東南アジア、中南米、アフリカなど世界各地で蔓延しているため、トラベルクリニックでは最もポピュラーなワクチンです。

病原体は、腸チフスはチフス菌(Salmonella Typhi)、パラチフスはパラチフスA菌(Salmonella Paratyphi A)。

患者や保菌者の便に汚染された食品や水を摂取することによって感染(経口感染)します。

典型的な症状は潜伏期間2週間前後に起こる39~40℃の高熱、下痢または便秘など。 

これを防ぐワクチンがあり、IMのTyph-I、経口のTyph-O、Hep Aワクチンと組み合わさったIMのHA-Typh-Iです。

下の表を見る限り、経口のVivotifは持続期間等の数字ではかなり魅力的ですが、1カプセルを1日おきに合計4カプセル(空腹時)、つまり計8日間かけて服用するのは簡単ではありません。どのようにコンプライアンスを確認するのかが問題になります。それ対してIMであれば、打てば終わりです。最終的には患者さんの希望によりますが、簡単で確実なのはIMである気がします。



http://www.phac-aspc.gc.ca/publicat/cig-gci/p04-typh-eng.php


2015年4月9日木曜日

Scarlet fever

これもまた患者さんと話をしつつ、グーグルしなければよく分からなかった言葉です。
日本語では「猩紅熱」で、A群β溶血性連鎖球菌Group A beta-hemolytic streptococcus (GABS)の感染によって発症するものです。

ちなみにウィキペディアによれば、スカーレットは緋色(ひいろ) 
濃く暗い赤色を茜色というのに対して、最も明るい茜色を緋色と呼ぶそう

このついでに疾患の説明を英語で読むことも忘れずに。
http://www.webmd.com/a-to-z-guides/scarlet-fever-topic-overview



2015年4月7日火曜日

返信です

オンタリオ州の方からEメールを頂きました。
折角なので質問を公開する形で記事にさせて頂きます。

質問はトロントに拠点を置くPharmAchieveという会社の提供すMCQ準備コースについてで、問題の範囲と量が膨大とのこと。

このPharmAchieveのプログラムは、EE対策、MCQ対策、そしてOSCEのトレーニングがあります。http://pharmachieve.com/mcq

Evaluating Examの受験勉強の際にこちらのコースを取った方を知っていますが、とにかく大量の問題をこなして力をつけるという方法がとられているということでした。OSCEのコースを取った方もいましたが、これはOSCEの準備段階のどこでこのコースを取るかによって評価が分かれていました。

私がEEおよびMCQを受験した頃は、そこまでプライベートの準備コースやオンラインコースが充実していませんでしたので、手探りで色々な本を買ったりして勉強したものでした。何度かテストに失敗した後、当時はCanadian Pharmacy Associationの継続教育(CE)がオンラインで購入できたので、この問題を何度も何度も繰り返し、ようやく合格にこぎつけました。(残念ながらCPhAは私が勉強した時のような形のCEを現在販売していません。)Agro Healthもとりましたが、それだけではもちろんOSCEに合格する力はつくはずがなく、最終的にCP3に辿り着きました。いま思えば、手探りと失敗の連続でした。

今ではこの「手探り」というプロセスは各種準備コースをとることで省くことができ、これは非常に素晴らしいことです。この点をポジティブに捉え、広範囲の問題にめげずに一問ずつ確実に解けるようになってもらえればと思います。コツコツやるしかありませんし、やれば必ず道が開けます。

問題と並行して、Therapeutic choices、Minor ailments、Rx filesといったバイブル的参考書は必ず網羅しましょう。問題をこなしながら本の内容を確認すると効率がいいと思います。

ちなみにPharmAchieveコースに興味のある方、
SELF-STUDY QUESTION BANK(Online only) $675 +Tax
MCQ PREP COURSE(Online or offline) $1750 +Tax
となっています。講義はオンラインでも聴講できるそうです。参考までに。

ブログをご覧の皆さん、質問はいつでも受け付けています。
世界中どこからでも御連絡ください。



2015年4月5日日曜日

CP3の予約状況

今では全ての外国人受験者にとって必須となったCP3。従って、登録準備を早めに行うことはスケジュール管理の上で重要です。2015年4月5日現在、9月のセッションまでが満員となっています。

この先も常に申し込み期限をチェックし、EEに合格したら、すぐにCP3の手続きを行うようにしましょう。OSCEはCP3受講後に受験するのが一番効果的です。

http://cpd.pharmacy.ubc.ca/content/schedule-and-application-deadlines

2015年4月4日土曜日

スタッフインフェクション?

薬局のスタッフに蔓延する悪い感染症のことです。。。

というのは冗談で、スタフィロコッカスによる皮膚の感染症のこと。

Staphylococcus infectionを略してスタッフインフェクション。

Cocci…round(球形)、Bacilli…rod(棒状)とかってどこかで勉強したと思います。

ホッケーの選手などのスポーツ選手が、スタッフインフェクションのために試合に出れないとたまにニュースで聞くことがあります。

抗菌剤が用いられますが、場合によってはMRSAといった耐性の問題が付きまといます。

幅の広い話なので、一度どこかで勉強してください。
http://www.webmd.com/skin-problems-and-treatments/staph-infection-directory

なにはともあれ、この用語を覚えてもらえれば今日は合格です。






2015年4月3日金曜日

MONO?

少し前のブログ「医学用語?」にも書きましたが、 一般の方に馴染みのある医療用語というのは意外と多く、それらの病気には短縮形のニックネームがついています。

何年か前のことですが、薬局に来た小さい女の子のお母さんに、

"I think my daughter has mono"

といわれました。もちろんOTCで効果のある薬はないかという質問ですが、
こっちは「モーノ(mono)」といわれてもさっぱり意味が分かりませんでした。

とりあえず"I'm not sure so I can look it up for you"といって、その場でグーグルするしかありません。Mono、Feverとか入れて検索です。

そこで出てきたのはmononucleosisのこと。日本語では伝染性単核症ですが、大学でも習った覚えがありません。その場で勉強です。
http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/mononucleosis/basics/definition/con-20021164

そうしているうちに、以前に友達がこれにかかって薬を飲んでも治らないとフェイスブックで嘆いていたのを思い出しました。ペニシリン系の薬は発疹を起こすのが理由でした。
Amoxicillin and other penicillin derivatives aren't recommended for people with mononucleosis. In fact, some people with mononucleosis who take one of these drugs may develop a rash.
http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/mononucleosis/basics/treatment/con-20021164

唾液を介して伝染することから「kissing disease」とも呼ばれるそうですので、覚えておいて損はありませんね。

これを機に日本語でも勉強しておきましょう。
http://merckmanual.jp/mmpej/sec14/ch189/ch189f.html

2015年3月25日水曜日

CBC続報

メディケーションレビューについての続報が3月24日に出ました。

Medication reviews may miss patients who need them

Pharmacists speak out on need to ‘cherry-pick’ low-risk patients to meet quotas for billable services

http://www.cbc.ca/news/health/medication-reviews-may-miss-patients-who-need-them-1.3005870

前回からのニュースをまとめて日本流に平たく言えば、点数(=報酬)稼ぎのために薬剤師がレビューという仕事をしていることが問題となっており、薬局においては薬剤師に課されている点数ノルマが調剤業務に支障を来たし、エラーを誘発している可能性が指摘されています。そしてノルマの達成だけが目的となっては、患者ケア、つまり例えば高齢で薬の数が多いにも関らず、変更が多く、どれがどの薬か分からなくなってしまったというような「本当にレビューを必要とする患者さんと1対1で20分位の時間をとって薬のおさらいをしましょう」という視点が無くなってしまうことも懸念されています。薬局によっては患者さんに毎回レビューを提供し、もちろんこれではネタに尽きてしまいますから、最も短いときでは30秒程度で「レビューをやったこと」にするような慣習さえあることが指摘されています。レビューの報酬は100%政府、すなわち税金から薬局に支払われますから、やはり消費者であり納税者でもある患者さんが納得する仕事が行われていなければ、いつかどこかでその構造にメスが入るかもしれません。

2015年3月22日日曜日

お辞儀をします

例え西洋文化がベースにあるとはいっても、ここカナダでは薬局のお客さんには高齢の方が多いこともあり、礼儀はカスタマーサービスの欠かせない要素です。

北米の人はみんなファーストネームで呼び合うものだと過去には信じて疑いませんでしたが、
生粋のカナディアンであっても高齢の方に対してはミスターやミセズをきちんとつけて名前を呼びます。同じように自分も患者さんに接すると、むしろ相手のほうから名前だけで呼んでいいよ言われることもあります。丁寧に接してこそ始まる関係ですね。

CBCニュースが1月に薬局サービスを特集してからというもの、特に接遇に関しては気をつけていますが、最後にTake careと一言いうときに会釈をしたりもします。結構最近のことですが。でも高齢の方ではむしろ患者さんのほうが自分にそのようにしていることに気が付きました。必ずしも片腕を大きく上げて"Bye!"というのが北米流ではないのですね。カスタマーサービスは丁寧であるべきことは世界共通です。接遇の最後には、いつも相手が気持ちよくなるように言葉を付け加えましょう。

P’cist:”Do you need anything else, Mr/Mrs. ....?"
Cust: "No"
P’cist: "Ok then. If you have question or concern, just give me a call any time. You take care and have a good day. ”

2015年3月21日土曜日

医学用語??

専門用語よりも一般に慣れ親しんで使われる言葉がいくつもあり、以下はその例です。

Charley horse」

足がつることです。A charley horse is the common name for a muscle spasm. Muscle spasms can occur in any muscle in the body, but often happen in the leg. When a muscle is in spasm, it contracts without your control and does not relax.

Lock Jaw」

破傷風(Tetanus)にかかるとけいれんで口が開かなくなることが所以です。



「Montezuma's revenge」
Traveler's diarrhea (旅行者下痢)のことで、特にメキシコへの旅行者がかかるものを指します。アステカ族最後の皇帝の名前に由来します。


「Whooping cough」
Pertussis=百日咳のこと。Whoop: (ほえるような)叫び声を上げる, ゼーゼーと息をする。
http://eow.alc.co.jp/search?q=%22whoop%22&ref=hk
Whooping cough is an infectious bacterial disease that causes uncontrollable coughing. The name comes from the noise you make when you take a breath after you cough. You may have choking spells or may cough so hard that you vomit.
漢字と英語における意味の出所の違いが面白いですね。

「Sleeper」
睡眠薬のことを差しています。"Could you refill my sleeper? Yes, the blue pill."
パジャマと言う意味もありますが、薬局では違います。

業務に関連するものでは、
「TCI」
カナダでは、ドクターに処方せんの更新をリクエストする(つまり、受診しないで処方せんだけだしてもらう)ことはよくありますが、そのときにFaxの返事にこう書いてあることもあります。「To come in (to doctor's office)」の略で、ドクターが「更新の前に一度会いにきてください=受診してください」の意味。例としては"Renew x 3 months then TCI"とかいった具合です。

「HB4」
以前に服用したことがあるという意味。
単に「B4=before」のときは、「以前に」や「以前の薬(または用量)は」というかんじ。

このような単語をしらないと、単純な言葉の置き換えでも、理解に何分もかかることがあります。
仕事を始めたばかりのころ、B4が読めなくて困りました。頭の中がどうしても「ビーフォー」だったんですね。

ちなみに下のリンクではドクター用のスラングがリストになっています。
話のネタ程度によんでみてください。
http://messybeast.com/dragonqueen/medical-acronyms.htm





2015年3月19日木曜日

DPICについて

薬局への電話で、子供が大量に薬を飲んでしまったとか、化学薬品を間違って飲んでしまった、で、どうしたら良いか?といった質問に答えるのは時として難しいものです。この手の質問を一手に引き受けるのが、DPIC(BC Drug and Poison Information Centre http://dpic.org/)です。また隣のビルにDrug Information Centerもあり、こちらは薬一般の安全性についての質問を取り扱ってくれます。一人で仕事をしているときなど、本に載っていない副作用などどうしても誰かの知識が欲しいときには、DPICに相談するのも一つの手です。


2015年3月18日水曜日

薬あれこれ Myrbetriq

OABに用いられる薬です。
成分名がMirabegron (extended-release tablets)
機序としては、Selective beta 3-adrenoceptor agonistです。

http://www.cmsastellas.ca/uploads/pdf/131-2013-03-04-myrbetriq%20PM-Approved.pdf 

2015年3月16日月曜日

Pharmacists’ Expanded Scope of Practice Activities Across Canada

カナダの各州ごとに法規が異なるという理由で、州を超えると薬剤師には出来る仕事に違いがでてきます。

下の表を見てみると、BC州の薬剤師には出来ないことが多いようです。

しかし、他の州で標準的に行われている内容に関しては、早かれ遅かれ導入されることでしょう。

Summary of Pharmacists’ Expanded Scope of Practice Activities Across Canada
http://www.bcpharmacy.ca/uploads/Facing-the-Future-Together.pdf


2015年3月15日日曜日

目標と応援

「仕事も勉強も、スポーツも芸術も、意欲的に取り組むには目標と応援が必要である。」

と、新聞のコラムで読みました。


皆さんの今の目標は何でしょう?


決して簡単ではない、PEBCの試験、そして就職活動。


働きはじめてからの継続教育、専門資格の取得、どこまでも目標は尽きないでしょう。

また、目標に向かって頑張るあなたを応援してくれる人とは?


家族、子供、パートナー、親、兄弟、友達など、応援してくれる人の数は多いに越したことはありませんが、誰でもそんなに大きな応援団がいるとは限りません。


でも、私はカナダの薬剤師に挑戦し続ける皆さんを最後まで応援しています!

2015年3月14日土曜日

薬の検索

Physicians desk referenceという資料を大学のときに習いましたが、今ではこれがオンラインでタダで使えます。初めてみる薬の情報や、用量の検索などにおいてかなり便利です。

http://www.pdr.net/browse-by-drug-name

若い薬剤師はスマホで、ピピピとすぐに検索します。私あたりの年齢を境目に、コンピューター画面をみる割合が高くなります。スマホに対する親しみ具合だけでなく、スマホの値段や機能も違うのかもしれません。

2015年3月13日金曜日

Calcium Supplements and Cardiovascular Risk

カルシウムが心臓に悪影響を及ぼすという内容が、2011年にニュースになりました。


もちろんそれが一つの研究結果による報道で、結論としては断定的なものではないので、更なる研究と検討が待たれました。そして実際に様々な研究がなされました。

Osteoporosis Canadaの2013年の発表では、1日1200mgのカルシウムを出来るだけ食物から、無理であればサプリメントから摂取するよう呼びかけています。

2014年のTaylor EN.らの論文( 2014 Aug;25(8):2047-56. )では、
”Our findings do not support the hypothesis that calcium supplement intake increases CVD risk in women.”としています。

が、もちろん今後もこれを覆すような論文が出てくるかもしれません。結論が断定的とはいい難い内容について患者さんから質問を受けたときは、このような流れと内容をそのまま伝えるようにしています。最終的にはOsteoporosis Canadaのガイドラインに従うのが無難かと思いますが、それでもバックグランドとなる研究の流れは把握しておきたいものです。

2015年3月10日火曜日

Synthroidとの相互作用

FQやtetracyclinesの影に隠れがちですが、synthoroid/eltroxinといった薬も鉄やカルシウムと同時に服用することで吸収が妨げられます。

このような相互作用も前述の「Drug interaction checker」ではしっかりと引っかかってきます。http://reference.medscape.com/drug-interactionchecker




全く複雑な相互作用ではありませんが、ブリスターパックなどをやっていると意外と見落としがちなものなので、今のうちにしっかりと頭に入れておきましょう。

2015年3月9日月曜日

相互作用のチェック方法

紙ベースでは、「Drug Interaction Facts」が必ずカナダの薬局にはおいてありますし、PEBC受験の際もこの使い方を知っておくことはもちろん必須です。

しかし、オンラインでMedscapeの「Drug interaction checker」に行くと、素早く相互作用が検索できて非常に便利です。

http://reference.medscape.com/drug-interactionchecker

参考にしてください。




2015年2月4日水曜日

日本に行ってきます

タイトルどおりの理由で、最近リズムにのっていたブログをちょっと休憩します。

日本ではセミナーなどを行う予定はありませんが、将来的にはそういうことをしたいと思っています。

では、行って参ります。


2015年2月3日火曜日

旅行者性下痢のレクチャー

日本人は、よく旅行に正露丸をもっていくといいと言われますが、これは旅行者性下痢 = traveler's diarrhea (TD)に備えるためでしょう。

正露丸の服薬指導書 (大幸薬品)

しかし、カナダの普通の薬局には正露丸は売っていません。それでもカナダから中南米、東南アジア、アフリカなどTDのリスクが大きい地域に旅行する人は多いので、何かしらの備えが必要です。

このような内容を押さえるため、Travel medicineの領域を少なからずかじる必要があります。もちろんMinor Ailementの本にもそのような分野があります。

また、BC college of family physiciansの勉強会を録画したものがYoutubeで見れ、結構参考になります。Travel Medicine in the OfficeというタイトルなのでTDに限って話をしている訳ではありませんが、この部分だけ見ても勉強になります。喋っているのはDr. Darin Cherniwchanです。

BCCFP (BC college of family physicians) のサイトからは他のビデオもみれますので、Therapeutic Choicesでの勉強に飽きたら、ビデオをみて身につけた知識を確認してください。

☆その他の参考資料☆
日本消化器病学会
オムロン

2015年2月2日月曜日

MMRの集団発生に際するカナダの薬剤師的知識と準備

アメリカのアナハイムにあるディズニーランドでMMRが集団発生してから、
バンクーバーのラジオ局がトラベルクリニックで注射をうけるようにと呼びかけています。

このような世界的な感染症の危険を公共的にお知らせする手段として、ヘルスカナダの”Travel health notices”があります。便利なので知っておきましょう。
http://travel.gc.ca/travelling/health-safety/travel-health-notices#risklevels

これはWHOのアップデートに従って更新されていきますが、”Where is measles a concern?”をみてみると、以下の地域に関して特に注意が喚起されています。
http://travel.gc.ca/travelling/health-safety/travel-health-notices/measles

  • In the Region of the Americas (North, Central and South America and the Caribbean), measles has been eliminated; however, outbreaks continue to occur when the virus is imported into this region from other countries.
    • The United States is currently reporting a sudden increase in the number of cases of measles in California, which started in December 2014. Related cases have since been reported in other states and in Mexico.
    • Brazil: In 2014, health authorities reported a significant increase in the number of cases as compared to the same time period in 2013.
  • In many countries in other regions of the world (Africa, Asia, Europe, Oceania), measles is present (endemic) and periodic large outbreaks occur. Travellers who are not immune are at risk.
    • Philippines: There have been reported cases of measles in unimmunized travellers who arrived in Canada from the Philippines where there is an ongoing outbreak affecting Manila and other regions of the country.
    • Vietnam is currently experiencing an outbreak; there have been a high number of measles cases reported throughout the country since the beginning of 2014. 
    • China: In 2014, health authorities reported a significant increase in the number of cases as compared to those reported in 2013. Cases of measles have been reported in travellers who arrived in Canada from China.
これに伴い、薬局付設のトラベルクリニックを担当する私もMMRのワクチンを注文することになりました。もっとも、このようなアウトブレイク(集団発生)に備え、政府の支給するワクチンが保健所のような場所に備蓄してあり、そこでも注射が受けられますということをまずは確認しました。

日本育ちの日本人的には、このような感染症のインパクトの実感が湧かないかもしれませんが、とにかく用心してヘルスカナダの指示に従った方が無難です。ご自身が上記の地域に旅行される際には、ぜひ1回注射を受けてください。

ちなみにカナダにはPRIORIX®とM-M-R® IIという2つのブランドがあります。
いずれも原料はMMR成分は「live, attenuated」で、SubQにより投与されます。
Live, attenuatedときた瞬間、何かに気をつけなければ!と思う習慣が必要です。

Priorixの禁忌をみると、

  • subjects with known hypersensitivity to neomycin or to any other component of the vaccine. A history of contact dermatitis to neomycin is not a contraindication.
  • subjects having shown signs of hypersensitivity after previous administration of measles, mumps and/or rubella vaccines.
  • subjects with severe humoral or cellular (primary or acquired) immunodeficiency e.g. symptomatic HIV infection (see also WARNINGS AND PRECAUTIONS).
  • pregnant women. Women of child-bearing potential should be advised to avoid pregnancy for one month following vaccination (see also WARNINGS AND PRECAUTIONS)
と書いてありますから、やはり特別な注意があります。なんといっても今回のアウトブレイクは、ディズニーランドです。ここを訪れるのは子供連れだけでなく、妊婦さんや、これから子供を考えている人は沢山いることと思います。

ところで、MMRとはmeasles, mumps, and rubella(麻疹(はしか)・おたふく風邪・風疹)のことです。Measlesは、その綴りからミーズレスと読みたくなりますが、「ミ」にアクセントを置いて「ミーズォーズ 」と発音されます。http://dictionary.reference.com/browse/measles

どのように感染が拡大するか?と聞かれたら、
When an infected person breathes, coughs, or sneezes, the virus spreads through the air. 
と答えましょう。空気感染や飛沫感染などにより感染します。

もちろんココにはMMRの全てを書ききれませんので、日本語でも以下の国立感染症研究所のサイトを参考にしてよく勉強しておきましょう。

このような健康問題は、規模が大きくなればなるほど、お客さんに質問される回数が多くなります。従って、決してテストのためだけではなく、薬剤師の知識として見につけておく必要があります。もちろん、分からなければその場で調べる!!のが基本です。恥ずかしがる必要はありません。"Please let me look it up"や"I will look it up for you" といえばお客さんは待ってくれますし、あやふやで断片的な知識よりも感謝されますし、何より自分も安心できます。

ちなみに、カルフォルニアはバンクーバーから直行便の飛行機で3時間程度ですから、ホリデーにはもってこいの場所です。アナハイムのディズニーランドは大人でも楽しい場所ですから、みなさん是非遊びに行ってみてください。

2015年1月31日土曜日

Seasonal Influenza Vaccine for 2014-2015

インフルエンザワクチンの効果についてお話しましたが、実はこの冬はワクチンの種類等について全く触れていませんでしたので、ココでざっと復習しておきましょう。

こちらの資料の19-20ページ目にワクチンのまとめがあり、これはその辺に張っておくと業務上非常に便利です。 http://www.phac-aspc.gc.ca/naci-ccni/assets/pdf/flu-grippe-eng.pdf




いまやインフルエンザの予防接種といっても、様々な種類があるのが良く分かります。
投与方法はIMだけでなく、IntranasalとInterdermalのものもあり、またワクチンの構成として3価のものと4価のもの、live vaccineのものとそうでないもの、妊婦さんに投与してもよいものとダメなもの、そして対象年齢、投与回数など、特徴的な部分はこの表からきちんと抑えておきましょう。どこからでも質問はやってきます。